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アメリカの医学生

レジテンシー最後の一般内科病棟の一ヶ月も後4日と迫ってきた。

二人のインターンに加えて、1人のPodiatryと1人のMS-3(医学部3年生)がいるため快適。

指導医が、石橋を叩いて渡るどころか、叩きすぎて壊して渡れなくなってしまうような人

しかしながら良いチームだったと思う。

3年生を指導するのな初めてだったので、どう扱ったらいいのだろうと戸惑った

これまで学んできた教育手法なりアプローチなりを試すいい機会をもらったと思って臨んだ。

結果的には一ヶ月十分に楽しんで学んでくれたと思う(し、そう言って貰えたのは良かった)。

先ずは1日目、早速新規入院をとる日だったので、仕事に忙殺される

とりあえず、3年生がどのような振る舞いをするものなのか観察した

日本の五年生にあたるのだから、日本ではただシャドーイングするなり、1人患者を持ってノートを書いたりするくらいかな?

この3年生、右も左もわからない状況なもので、午前中は回診についてまわりながら、インターンのやることをシャドーイングしていた。

午後、新規入院が入ったので、学生を連れて見に行った

まずは、簡単な情報を救急から聞いていたので、その主訴から学生にどんなことを考えるか聞いてみた。

うーん、3年生ってこんなに知ってるっけ…

患者を見た後は、何が正しい医療なのかを色々と意見してきた

ほー、実際の医療がテキストや理想とはかけ離れていることはまだ知らないのか…

ふむふむ、かなり知識はありそうだが、知識と経験のギャップがまだ大きいのかな?

しかし、2年間でこんなに知識がついて議論まで出来るのは一体どういう教育を受けてきたんだろう…

そんなで1日目が終了

2日目、入院を取らない日。

時間はあるだろうし、彼にベストな学習環境をみつけよう

目標は、明確なお互いのExpectationを設定すること

午前中の回診後、2人きりになるチャンスをうかがったものの

そんなうまい展開はない

結局呼び出した

何がやりたい?どんなことを求めてるの?

と聞いてみた

ここで、えー…別に… と言われるとちょっと難しくなるアプローチだが、この場合はうまくいった

あー、うん、実際に患者をみて、鑑別を考えながら必要十分な診察を、リーズナブルな時間内でできるようになるとか、ハンズオンな経験を積みたい とのこと

うむむ、自分が昨日彼に対して持った印象と同じ… 自己分析もやる気もあるな…

というわけで、一ヶ月間、とにかく新規患者をドンドン見てもらって議論し、入院ノートをひたすら書いてもらった。

入院は1日おきなので、入院を取らない日は、回診中に前日入院のプレゼンと古い患者のフォローと、ノート、その他雑務をやってもらった。

学生を前面に出してチームと診療に参加させたのは、チームにとってプラスだった

インターンは必然的に学生に教えることになり

学生はインターンを手伝う

レジデントの負担も減り、その分学生に教える時間が増える

そんなで最後の一般内科病棟のローテは終わろうとしている

彼は手技にも異様なほどの興味を示し採血などもやってもらった

インターンは忙しく中々採血や点滴ラインをいれるほど暇ではないが

興味のある人にはどんどんやらせるべきだろう

特にインターンにはエコーガイド下での穿刺がまだまだ経験不足である


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