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アメリカの看護師の仕事に1日密着してみた

前々回の続き QIを始めるため、まずはナースの仕事のプロセスと問題点を理解するため ナースマネージャーに推薦してもらった看護師の12時間の日勤に帯同させてもらった 朝7時に病棟集合し まずは夜勤の人から1対1で申し送り 今回見学した内科病棟は旧病棟でProgressive careという日本でいうとハイケアユニットに近いのだろうか 一応ICUレベルではないが4時間ごとのアセスメントが必要なレベルの患者で 病棟全体で大体9-10人程度みるらしい  その日は9人患者がおり3人の看護師が3人ずつ担当 ナースの学生が3人ほどきていた ナース助手的な人「テック」と呼ばれる人が一人(その学生が一人おり実質は2人いた) 助手は一人で病棟全体の雑用をこなすらしく忙しそうに病棟を歩き回っていた 実際、このテックと呼ばれる人が最も大変な仕事だそうだ 申し送りのしめはベッドサイドにいって患者に挨拶 今回、患者の部屋には入らないと伝えてあったので、外で待機  その後、電カルで担当患者の薬やオーダーの確認 終了次第、早速朝の薬をナースステーションにある薬を収納している機械から取り出し バーコードをプリントする 一人ずつ薬を取り出しては、ベッドサイドに行き IDと薬をスキャンし(この時点で電カルに時間とともに”投与”されたと記録される) 投与し ついでに朝のアセスメントをやり ナースステーションにもどってきて 次の患者の薬を取り出す を繰り返していた 旧病棟のためベッドサイドにパソコンがなく オーダーをこまめに確認できないのは難点だと 薬の作業中に医者が追加オーダーを入れても気づけないから二度手間になったりするらしい 薬がキャンセルされた場合は、薬のバーコードをスキャンしても反応しないので 誤投与は防げるらしいが 採血や点滴がキャンセルされた場合は バーコードのスキャンなどのステップがないので 気づかず無駄に採血したり、点滴をそのまま続けてしまうリスクがあるらしい ここら辺は現状のシステムではコミュニケーションが重要になるところだと理解  その後は  アセスメントした内容をひたすら電カルに入力 基本的にはTypingは必要なく 各臓器システムのところをダ...

Institute for Healthcare Improvementの「Joy in Work」オンライントレーニング

さて、QIを始めようか… 重い腰を上げるように ゆっくりと立ち上がった 忙しかった2週連続勤務が終わりテンションのおかしいロイピーです 忘れる前に、全員分の評価を提出しなければ… といいつつ、早速今日は内科旧病棟のミーティングへ IHIのJoy in Workをいかに見つけ作り出すかというオンラインコース を取っているので 別に大したプロジェクトでなくてもいいが プロジェクトが必要なのである(プロジェクトベースで進む) ただ、Joy in workと一言でいっても、 個人のJoyに絞ってもプロジェクトができるし 自分の仲間内(科内)でもできるし 多職種でもできてしまう Joyといっても、なんでもあり 残念なことに、Joy in workに関連したプロジェクトをやりたいというと 多くの人は「Wellness」「Burnout」に話を絞ってしまう 自分はそうは思わない 医療者はおおむね皆やる気があると思う 病気の人をケアするということだけでやりがいがあるから ただ、その仕事環境は世界中で問題になっている そして皆バーンアウトする 皆が仕事がいで飲みに行ったり、エクササイズしたからといって 解決にはならないと思う だから自分はそこは興味ない Sustainableな変化ではないから 自分は仕事のプロセスや問題点を解決するProblem solvingに興味がある まず科長と話したらWellnessの話ばかりされたので ちょっとショックだった そして今日内科のミーティングにでたら ナースマネージャーたちは多少は意識を共有できてそうな印象だった  とても嬉しい まずはナースの仕事のプロセスを改善するために、 ナースの仕事の一日のプロセスと問題点 そして ホスピタリストの回診のプロセスと問題点を 可視化し 理想的なプロセスをチームで話あって可視化する そこから介入のアイデアが生まれ 少しだけデータを集めて優先順位をつける そこから実際の介入が始まる うちの科の同僚たちは、上の人たちも含め そこがとてもおろそかで勉強不足 だから成功しないし PDSA一回回してうまくいった、いかなかったで話が終わる ここまでのプロセスに時間をちゃんと割くかどうか ...

【リーダーシップ本】The Toyota Way to Lean Leadership オーディオブック版を聞き終えた感想

レキシントンに来てから長時間運転することがさらに多くなったので(休みがあるから) アマゾンKINDLEでオーディオブックを購入して運転中に聞くようにしていた 問題は、運転に集中していたり、運転中誰かと話しているときは、聞き逃しが出てくるので、2-3周聞かなければならなくなる。 今回聞いたのは The Toyota Way to Lean Leadership: Achieving and Sustaining Excellence through Leadership Development 序盤は特に総論的な内容であり、大事なコンセプトなどを説明していたりするときにがっつり聞き逃してしまうことが度々あり どんな本か、はよく分かったが、隅々まで内容が頭に残らないのがオーディオブックの難しい所 しかしこれまで学んできたことのよい復習となった TOYOTAがLEANを実践できるリーダーを育てるために何をしているか その根本にある理念が特徴的 外部からできる偉い人を引っ張ってくるのでなく 自社で人材を育て続けていることで トヨタの文化は守られ発展し続けているようだ 確かに社長は常に豊田家で引き継がれていても これまで成長し続けられているのは凄い Continuous improvementの文化は度々触れられたが ソルトレークでのQuality Improvementコースでも、これは強調して教えられていた TOYOTAのやり方をそのまま他の会社に輸入しようとしても 結局うまくいかないのは、やはり改善やそれに必要なリーダー育成の文化を時間をかけて形成しなければいけないからだろう あと英語の本なので、耳で聞くだけだと固有名詞や略語のスペルはどんななんだろうとか 略語の正式名称をもっかい言ってくれないかね、とか いちいち気になり さらには、普通の本であれば太字やイタリック体で強調されていそうな内容も オーディオブックでは、全て淡々とした抑揚のない男性のテンション低めの声で収録されており どこが強調して書かれているかは不明。 結構運転時間が長いので、あっという間に9時間以上のリスニングを終えていた 一番最初に購入して試したのは、HABITの形成に関する本(自己啓発系)だったが こちらは、...

9 virtues of exceptional leadersの感想

読書も少しずつ習慣づけようとしているが、一つの本を少しずつ読むのはとにかく難しく感じる 今回手始めの本としてAAL(Academy for Academic Leadership)が推薦している、「リーダーが持つべき9つの徳」的なタイトルの本を読み進めている リーダーシップについて学ぶと同時に自己啓発になって良い。 以下感想。 まずイントロ  Virtue という言葉のチョイスについて。 GreekでArete。2500年以上前から存在する概念らしい。 Virtueは Excellence in character という意味でつかわれたり 今では A foundation of moral goodness という意味合い。辞書で引くと 美徳 とか 徳 とかでてくる。日本語では 「徳」がしっくりくるかな。 徳は、行動(Action)によって、習慣的な思考や行動の方法として形作られるもの この著者は、Virtuous leadershipという言葉を採用している。徳を備えたリーダーとか? リーダーシップは育てるものか生まれついたものか?「Nature vs Nurture」という命題に対しては、著者は両方だろうという立ち位置 もうすこし詳しく言うと、NurturingはCharacter buildingだから、もともと備わっているリーダーとしての資質の上に積み上げていくものだよね、と。”build on the natural potential as a leader through action and habit formation” 9つの徳の構成 コアとなる徳 courage perseverance wisdom justice 従来的精神的な徳 hope /faith charity 現代社会で大事な徳 humility honesty balance だそう。イントロだからなんとも評価しようがないか。 チャプタ 1 なんでVirtueなの?という話題。 ずっとマネージャー的仕事をして貢献していた部員を、最後の試合の10分間、スコアに関係なく試合に出したバスケコーチの例が取り上げられている。これが、アメリカのうまいプレゼンでよーく見る、「Making the(a?) case」の典...

ソルトレークのQIコース修了!

1月から毎月3泊4日の日程で4ヶ月間ソルトレークシティに通っていたが今日ついにコースを修了した。 第4回目となる今回のセッションは、1日目午前にブレント・ジェームズ先生の4時間に渡るQIリーダーシップのレクチャー。 第2・3セッションでは彼は参加しておらず、拷問のように長いレクチャーはなかったので、久々に聞くと集中力が続かない。 全体のセッションを通してQIにおけるリーダーシップのあり方について刷り込まれ続けてきたので、新しい情報もこれまで学んできた骨組みに肉付けするような内容だった。 こういう話ができると、QI、Lean、Six sigma、Demingに関心がなかった人や触れる機会がなかった人に、上手く教えられるのだが。 彼はこういう話を何十年も続けてきているだろうから、もはや話のうまさの次元が違う。 1日目午後から、最終2日目の午前までは、ひたすら参加者のプロジェクトのプレゼン会。 一人15分、質疑応答5分で、ひたすらプレゼンを聞き続ける。15分では細かく何をやったかを説明するのは困難なので、全くの専門外だと全然学びとることがなかったりもしたのは辛い。 1日目の夕方からは卒業ディナーとしておしゃれなレストランが予約されており、たまたま一席だけ空いていたテーブルに座ったところ、隣の人がピッツバーグ大学のホスピタリストで、さらにアメリカで数えた場合の卒後年数が同じだったので、意気投合。 翌日自分のプレゼンが控えているのにもかかわらず、ついついディナーでハッスルしすぎた。ホテルに戻ってからはもちろん疲れて寝たのだが、2時には目が覚めて活動。4時間くらいしか寝ていない状態で、必死でプレゼンの喋る内容を考え練習したが、完璧に流れを覚えるには時間が足りず。 疲れた状態でその日のプレゼンに臨んだ。プレゼンするのは好きなのでソルトレークに来る前は、ワクワクだったが、喋りの準備が間に合わないと分かった当日の朝は、異様なプレッシャーしかなかった。 胃潰瘍にでもなったかのような心窩部痛を抑えながら、たった15分のプレゼンに望んだが、結果はボロボロ。 いつもならテンションが上がって、本番のパフォーマンスも落ちないところを、疲れて、物凄いストレスを感じながらの喋りだったので、しょっちゅう、準備していたフレーズでないことを言ったり、文法を間...

QIコース第3セッション振り返り・3日目病院見学

インターマウンテンのQIコースは20年以上の歴史を誇るが 今回インターマウンテン史上初めて 実際にインターマウンテンの病院に足を運んで 学んだことが実際にどう行われているかを学ぶための ツアーが組まれたそうだ 病院だけでも20以上、クリニックを入れると相当な数を誇るインターマウンテンの関連病院で 実際にQIの文化が上手く根付いている病院2つと、よりインターマウンテンの傘下の保険会社1つがピックアップされ 自分は中長期的な将来に役立ちそうな市中病院(ベッド数100程度)を選んだ 大学病院の環境に近いこども病院も魅力的だったが 今の大学病院も頑張っている方だと思ったので 似たようなものを見ても仕方ないかと思い市中病院にした 驚いたのは、期待以上に学んだことを実践しており 各部署が同じツールを使いつつも それぞれ思うままにカスタマイズし 目標を設定して カイゼンに取り組んでいた これぞ、ブレント先生の言っていたザ・マス・カスタマイズ 現場のアイデアがふんだんに取り入れられていた 基本一枚のホワイトボードにやっていること、目標などが リアルタイムに一目瞭然に掲示されているので 働いている人だけでなく訪れた人もすぐに理解できる 面白いのは、ハイテク化しているこのご時世でも 個人レベルや現場レベルでカイゼン文化形成に役に立つのは ローテク(ホワイトボードや紙切れ)であるということ ローテクの問題点は、もし日々の改善活動をデータ化して記録しておきたい場合 誰かがコンピュータに手入力しなければいけないことくらい こども病院がどうだったか比べられないが これまで3セッションまで学んできたことを 実際に見れ、組織のトップリーダーであるCEOから現場のマネージャーまで 色々な人からの話や素晴らしい取り組みを教えてもらえて コースの締めの学びとしては最高に良いと感じた 来月の第4セッションはプロジェクトの発表のみなので 学習は今回でおしまい 去年同時期にとっていた、前課長のQIコースは 大学院で忙しい中、本当に時間の無駄にすら思えていたが 今回のコースは、忙しくても参加すべき質だったので 本当にありがたかった 参加費だけで七千ドル、しかも年2回...

QIコースのプレゼンがすごい

第3回の発表者に共通していたこと プレゼンがうますぎる スライドが美しい 大学院で学んだことがしっかり実践されている上に 自分の想像を超えて美しく仕上げている 文字も少ない 写真、グラフ、イラストを効果的に あとは、良く練ってきたのであろう ストーリー、筋のしっかりした話で しっかり補っていく ジョークやユーモアも交えており 毎回、発表者が話し始めて5分と立たないうちに 「この人、できるやっちゃなー!」 と感心しきりだった。 そもそもやっていることもぶっ飛んでいるので 久々に、自分がまだまだ未熟なことに 気付かされた 果たして15年後に 彼らと同じ舞台に立っているだろうか 相当な努力と良いメンターの両方が必要そうだ

QIコース・第3セッション振り返り(2日目後半)

チーム・ベースド・ケア( TBC )について。 TBC と言われてもピンと来なかったし、いまだにピンと来ないが(ネーミングのセンスが微妙)、メインの話は 2016 年の JAMA に掲載されたインターマウンテンがやった大仕事の一つである。 アメリカのどこでも似たような状況だと思われるが、基本メンタルヘルス(心療内科・精神科)外来とプライマリケア外来は、完全に別離している。共存など一切していない上に(つまり医療者側からみてもコミュニケーションが取りづらく使いづらい)、結構な数の保険会社のプランがメンタルヘルス自体をカバーしていなかったりするので、患者側からもアクセスが悪い。保険でカバーされなかったり、プライマリケアからの紹介が必要だったりで、結局心を病んだ人の多くはまずプライマリケアに行くわけだ。 しかし、内科を含めプライマリケア医というのは、症状の軽い、もしくは安定した鬱、不安くらいしか治療する程度のトレーニングしか受けない。典型的な治療で症状がコントロールできないと、メンタルヘルスクリニックや心理療法士を紹介することになるが、前述のように、プライマリケアとメンタルヘルス外来は完全に別離しているので、医療者も紹介した後どうなるかわかったもんじゃないし(保険が通るかどうか確実でないし、結構予約がすぐとれなかったりする)、患者側も自分でネットで調べたり、保険会社やクリニックに確認したりしなければいけないこともありうる。 そこで、インターマウンテンは、 TBC というモデルでもって MHI というプログラムを始めたのである。 MHI の MH はメンタルヘルスで、 I はインテグレーティッド?名前の通り、別離されていたメンタルヘルスをプライマリケア外来に組み込んだのである。 アイデアとしてはとてもシンプルだが、やるのは絶対に大変。 TBC ―チーム・ベースーを謳っているように、ただ精神科医や心理療法士がプライマリケアクリニックで働くというだけでなく、メンタルヘルスに詳しいケアマネを配置しケアコーディネーションを円滑にし、メンタルヘルスのスクリーニングをアップデートしナース助手を教育し、栄養士、はたまた周辺のコミュニティの医師も巻き込んでいる。 結果、再入院率は20−30%近く減り、コストも削減できたということで、 JAMA に掲載...

QIコース・第3セッション振り返り(2日目前半)

この日は感銘を受けるセッションが盛りだくさん。 Continuous improvement ( CI )についての詳しい話。このコースが終わった後、自分の施設で QI を続けるには、そして病院に QI の文化を作流にはどうしたらいいかというお話。 まずは皆が改善のための方法( METHOD )を共有していないことには、文化が根付くことはない(皆がバラバラのことをやってしまうので)。方法を共有するときに何らかのモデルが不可欠。 インターマウンテンでは、7項目くらいのループを使っている。セッション前は、いわゆる PDSA サイクルの話をするのかなと勘違いしていたが、このインターマウンテンモデルも、 PDSA サイクル(現場)にリーダーシップが関わるステップを加えたような構図になっていた。 そのサイクルの中でも Close the loop はとても重要で、 QI プロジェクトをやったときにやりっぱなしになってしまわないように、フォローアップできるようなシステムが必要である。 QI をやるときに、プロジェクト・フォーカスドと、カルチャー・フォーカスドの二つのアプローチがあるが、 CI を病院に根付かせる上ではカルチャー・フォーカスドが絶対的に良い。なぜなら、プロジェクト・フォーカスドは、問題が見つかったときにその都度 QI プロジェクトをやって改善していく、というアプローチで、これだとプロジェクトはプロジェクト・リーダーの所有物となるので、プロジェクトが終われば効果も薄れてしまい持続性がない。結果や成果を得るのは早いが。カルチャー・フォーカスド・アプローチは、要はインターマウンテン CI モデルのことで、初めのしばらくは時間がかかるが、リーダーシップと現場が一丸となってやり(ここまでは大きくは前者と変わらないが)、長期的なゴール(ミッション)、ミッションを達成するためのストラテジック・ゴール(これも長期的なゴール)、それを達成するために今取り組むべきゴールと、組織としてのゴールをどんどん具体的にしていき、現場と目標を共有しつつ、色々な短期的に達成すべきゴールについては現場にオーナーシップを持たせて積極参加してもらう。上層部は、現場の働きをサポートすべくお互いに協力する。これがサイクルになるため継続し、文化が根付く。 では...