スキップしてメイン コンテンツに移動

アメリカで言語療法(スピーチセラピー)と作業療法(オキュペイショナルセラピー)を受けるべきか

アメリカの健診で、子供の言葉の遅れを指摘された。セラピーを受けるべきか?


自分の身に起こったことだが 、言葉が遅れているからセラピーを勧められても、一人目の子供だと特にどうしたらいいか分からない。

結論としては、「とりあえず受けてみる」べきだと思う。

その時はマンハッタンに住んでいたので、家では日本語、デイケアにも入れる余裕はなく(週2で月1000どる越えとか今でも無理)英語を話す子供との触れ合いも少なく、言葉が遅れるのは半ば必然の状況でもあった。

しかし、小児科の先生も「バイリンガルの環境だと遅れることはよくあります」と事情を汲んだうえでセラピーの評価だけでも勧められたので

言われたように州が運営するBirth to threeに連絡。スムーズに手続きが進み(聴覚検査はやらされたか)、最初の言語聴覚士評価 に向かった。

若い言語聴覚士の人があの手この手で一緒に遊んでくれ、言葉を引き出していた。

こんな方法があったのか!


といろいろな発見や学びがあったのに驚いた。普段遊んでいても出さないような音を真似して発していた。

 そして評価が終わってセッションが始まる前にWI州に引っ越し

WI州のBirth to threeの評価をまた受けるのであった。

各州に3歳未満のためのBirth to threeプログラム、3歳以上は各学区(スクールディストリクト)が運営するプログラムがあるはずだが(義務らしい)、それぞれシステム、プログラム、費用負担が違うので確認が必要

 有効かどうか見極めるためにもまずは連絡をとることから始めるべき

そして、パブリックのサービスがうまく都合にあわなければぷプライベートのセラピークリニックをプライマリケアから紹介してもらうことも可能である。



  アメリカの子供の発達支援のシステムとクオリティは日本よりもだいぶ個別化されており良質である(と感じる)


 日本でセラピーを受けたことはないので完全な比較はできない。保健師として地域母子保健を仕事にしていた妻から聞くに、日本では、例えば1歳半健診は、多くの子供を一堂に集めて一気にスクリーニングする。効率とコストの面では圧倒的に優れているこのシステム、裏を返すとすごく「雑!」なシステム。

子供一人一人に向ける時間と労力がとにかくそぎ落とされている。アメリカでは大人も子供も健診は同じクリニック、先生にかかるため、縦断的な発達の変化、家庭環境、リスク因子など分かったうえで問題があれば「相談」してくれる。

そして、NY州では、評価しか受けれなかったが、Birth to threeは少なくとも無料。スピーチセラピーのところへ毎週つれていけばよかった。

 WI州のBirth to threeでは、親へのコーチングに集中したプログラムで、セラピストが自宅に来て、遊びながら問題点、解決法について話あい、次回またフォローアップという感じ。

3歳の誕生日をもってBirth to threeは卒業になるため、3歳になる前から徐々に次のステップに移行開始。

3歳以上は州・郡レベルから→学区(スクールディストリクト)レベルのプログラムに変更になり

それに伴い
単なる言語療法から→多職種連携で多角的な介入にシフト

住んでいる所の学区の学校から連絡があり、向こうでSocial worker、SLP(スピーチ)とOT(作業療法)がチームを組んで、子供を評価し

いかにも専門家が評価しました!と言わんばかりの詳細なレポートを元に親もチームの一員としてミーティングが組まれた。

そこで質問など確認され、セッションが計画されたが、幸運にも、子供が通っていたプリスクールに毎週SLPとOTが出張サービスしてくれた。

*多くの条件を満たさないと出張はしてくれず、スクールに連れていく必要があるようだ
そもそもプリスクールにセッションをするための空き部屋があるかどうか、
セラピストとのスケジュールがあうかどうか など

KY州に引っ越してから、そこの学区のサービスを聞いたが、出張は無理、パブリックのセラピーを受けるには、子供をパブリックプリスクールに月ー金で半日(午前か午後)入れなければいけない、と言われ「お断り」した。

 KY州では、プライマリケア小児科医から近くの子供セラピークリニックを紹介してもらいそこであらためて評価してもらいセッションを開始してもらった。費用は保険に左右され、自分の場合、毎回Co-Pay30ドルがかかるが、

子供は「 セラピー行きたい」としょっちゅう言ってくる


ので、習い事に連れていく感覚で行かせている。

セラピーのシステムもアプローチもコスト(のちに述べる)も州・年齢によってさまざまだが、子供の発達を支援するシステムとしてはよくできていると感じている。



子供だけでなく親も学べるのも大きなメリット

NY州での評価の際「こんな方法があるんだ」といろんな発見をしたことがきっかけでセラピーへのハードルは一気に下がった

自分(親)への効果があったからだろう

外でセッションが終わるのを待っている親もいるが、セッションを見ることで、自分の子供が意外とできること、練習が必要なこと、好きな遊び、そのやり方のバリエーションを知ることができる のでお勧め

 セラピストも積極的にアドバイスしてくれる


かかるコストも様々(お金の話)


NY州のBirth to threeプログラムは無料だったが

WI州では、セッションに対して保険請求を行う書類にサインし、さらに別個に「コストシェアリング」 をお願いされ、年収に応じて年間の費用が設定されていた。そんなに高くなかった

ただ自分の保険にDeductible(設定金額に達するまでは保険がカバーされず手出ししなければならない額)があったので、サインする際に「Deductibleとコストシェア両方は払えない」と言ったところ「保険請求のほうは義務ではないので強制はできない」と言われていたのでDeductible請求された分は(貧乏を理由に)丁重にお断りした。

3歳を超えてからの学区が提供するセラピーは一切請求はなかったと記憶している

KY州では、学区が提供するパブリックのサービスは受けない選択をしたが、セッションに対する保険請求をするのであれば手出しが出るかもしれないが、それ以外は無料のような印象だった(実際セラピーを受けなかったのであくまで「印象」だ)

 プライベートのセッションでは、保険請求はかならず発生するが、今のところ全額カバーされている。ただ、自分の保険では毎回Co-payが発生するので、毎週30ドルは払っている。まさに習い事をしている感覚だ。


まとめ

各州・年齢・学区・パブリックかプライベートかで、サービスもコストも違ってくるので、各自確認が必要だが、総じて、アメリカでのセラピーの体験は親子供ともにポジティブであり、親としての成長もできるので「とりあえず話を聞いて評価を受けてみて」決めるのをお勧めする。

コメント

このブログの人気の投稿

同僚がよくお世話になっているCureusというオープンアクセス・ジャーナル

Cureusに毎月のように同僚がケースレポートを出している件 「俺、この数か月で7つケースレポート出版した」 という信じられない言葉を耳にした時も「いや無理でしょ」と思ったが 同期の(主に外国人医師)同僚に頼まれ、とりあえず「レビューアー」だけやってみることに。 サイトからアカウントを作って、すぐに登録は無料で簡単♪ (注:宣伝ではありません) どうやら、論文執筆するか、レビューするかでポイントがたまるらしい。 インパクトファクターはないからとりあえず 戦闘力 みたいなものをつけてるのかしら? 一番、驚きなのは同期の人曰く、論文を提出した人がレビューアーを3人くらいまで「 指定 」できること。 普通レビューアーを編集者に「提案」することはあっても、「指定」はできない。  そして、さらに3-4人ほど、編集者から関係ないレビューアーへ依頼が行くらしい。 (自分がファースト・オーサーで使うことはよほどのことがないと使わなそうなので、ほんとかどうかは知らないし、同僚のためにも調べないことにした) でも、6-7人がレビューするうち、 約半分はフレンドリーなコメントが来る ってことだと想像している🙊 早速、2件ほどケースレポートのレビューを丁寧にしたが 1つは、30か所以上コメントする始末。突っ込みどころ満載。この人からはレビューアー評価★5もらえたが。 1つは、15か所ほど指摘。 どちらも症例自体はよいんだけれど、こんなの世に出してる場合じゃない。さすがに、これからはレビューアーとしては敬遠されるかな。 最近初めてCureusで症例報告を出版した同僚が言っていた 「 2-3日で審査が終わって、指摘されたところをアップデートしたらアクセプト、そのままオンラインで出版された 」  え?6-7人の審査がそんなに早く終わったの? と聞いたところ 全くコメントせずに提出するレビューアーも中にはいるらしい😱 なるほど、確かにレビューもとても簡単で、オンラインで直接文章にメモとして書き込めるようになっており、「SUBMIT」を押して、最後の総括コメントいれて終わり だから、そういう人が出てくるのも致し方ないか? だからそんな多くのレビューアーにお願いするのだろうと想像している レビューも学術

KY(ケンタッキー)州ドライバーズライセンス(運転免許)を取得

さてさてどっぷり5月病にはまってしまい、日記を書くこともおざなりになってしまっている今日この頃 最近ケンタッキー州の運転免許を取得したので記録 NY州で取得した免許をWI州に移すときは書類提出だけで済んだと記憶しているが KY州はビザ持ちの場合、書類、筆記試験、路上試験と一からやり直さなくては免許が取れない。つまり、免許の移行というものができないらしい。 6月まで使っていた臨床トレーニング用Jビザは、一年ごとの更新のため、運転免許証もビザの期限に合わせて期限が1年になっているのがつらいところ。 7月に引っ越してすぐにWI州の免許が期限切れで使えなくなってしまうのだ   そのため6月に日本に一時帰国した際に、地元の運転免許センターで国際免許証を取得しておいた 期限は一年間で、これでケンタッキー州の運転免許をとるまで1年間の猶予が与えられることになる 元J2の妻は、NYにいたときに就労許可証を取得していた経緯があったので(結局働くことはなかったが)、ソーシャルセキュリティナンバーを持っており あとは、仕事の契約書か給与明細と、電気やガス代などのUtility関係の請求書さえあれば申請可能な状態だった   ガスかなにかの請求書に妻と自分の名前を併記してもらうようにお願いし まつこと、、、 2か月、ようやく請求書が手元に届き   市の運転免許センターらしきところへ 受付窓口に並んでいると、アメリカ国民でなければ違う窓口でまずは書類審査をうけろと言われた(入口入ってすぐにあるドアから入る) 同じ建物内の、違うドアから入り、狭い待合室で待たされたのち なにか書類を持たされ、通常の受付へと通された そのあとはしばらく待った後に、筆記試験を受けてその日は終了 筆記試験は、一問解くごとに正解不正解が分かるようになっており、親切だったが 当日の朝に、ネットで練習問題を一度見ただけの知識では結構難しい問題も普通にあった 僕らは国際免許証を持っていたためかLearner Permitというものはもらえなかった 帰り際に路上試験の予約をしようとしたが、次の週までの予約しかとっておらず 後日電話にて予約をとった(なかなか電話にでてくれず苦労した) ジョークのような 路上試験 路上試験当日、