ホスピタリストフェローシップの2つ目の面接のため、ウィスコンシン医科大学を訪れた。
時期的にMasters degreeコースへの申し込みも難しいだろうし、ビザもどうなるか分からない、インタビューアーの論文を調べても大した数はヒットせず、そこまで期待していなかった。
この期待はいい意味で裏切られた。
まず、旅費を全て負担してくれた。チケットやホテルの手配も全て事務の人がやってくれた。空港からホテル、ホテルから病院、病院から空港までの送迎まで手配してあり、その手暑さに感謝。
当日、事務方の人も含め7人ほど面接したが、プログラムディレクターはインドからのIMGであり、彼が中心となって、数年に渡り綿密な計画、各部署からのフィードバックや交渉を経て、ようやく今年の7月からの開始にこぎつけたとのことであった。
彼らの目指すもの(わざわざこのフェローシップを立ち上げた理由)は、まさに自分の目指す方向と似ていたことに直ぐに気がついた。
一般的に、ホスピタリストになるのに、フェローシップが必要だと思うアメリカ人は未だ少数である。
実際、自分の先輩や指導医たちの多くも、フェローシップの存在自体知らないし、アテンディングになっても同じことができるし、責任も多いから成長するよとアドバイスする人が多い。
自分はその意見には完全に反対で、将来的に、アカデミック ホスピタリストとして、その道のリーダーとして働いていくためには、それに見合うだけの知識と経験と実績を積まなければならないはずで、アテンディングになってから始めるのでは時間の制約や、受けられるメンターシップ、フィードバックなどなど、自己投資への時間がフェローに比べると限られてしまう。
長期的なキャリアを考えた場合、2年の回り道にも見える(自分にとっては回り道じゃなくて必須なことに思えるが)フェローシップを行うことは、特に大学病院や大学関連病院で働くことを考える人にとっては有益であると考える。
因みにホスピタリストや総合内科のフェローの場合、clinical instructor(日本では講師?)といったファカルティ扱いのポジションになるので、フェローであっても、teaching attendingとして、レジデントチームや、non teaching serviceのアテンディングとして年3ヶ月半ほど働くので、逆に、フェローでも責任をもって働くことは当然のごとく求められる。
違いは、定期的に、clinical and teaching performanceに関してスーパーバイザー達からフィードバックを貰えることである。
また、ホスピタリストフェローシップにも幾つかあり、臨床重視や、次のステップの繋ぎのための(ように感じられる)一年間だけのフェローシップと、将来的にリサーチメインで食べていこうとする人向け(grant funded clinician investigatorといった)の、2年から3年のリサーチフォーカスのフェローシップと、前回のジョンズホプキンズベイビューや、今回のウィスコンシンのような、臨床や教育もしっかりアカデミックにできて、さらにQuality improvementにも精通するバランスのとれたAcademic hospitalistを目指す2年間のものなどが、自分が調べた印象だと存在する。
自分が求めるものは、最後のバランスのとれたアカデミック ホスピタリストであり、今回の面接は非常に共感と、綿密に計画された、恵まれたカリキュラムへの称賛を覚えるものとなった。
ベイビューとの違いについて簡単に触れておくと、どちらもカリキュラムはしっかりしているが、ウィスコンシンのほうが、ベネフィットについてしっかり説明してくれて(給料も他と比べるとよい)、どれだけの金銭的なサポートや(年間いくらまでつかっていいとか)、どの分野が強みなのかしっかりと説明されたことと、master of education in medical educationをプログラムが費用を負担してとらせてくれるというIMGにとっては破格の条件を提示し、強みをはっきり伝えてくれたところは非常にありがたった。また、フェローシップなので、J visaのまま行けるだろうと、移民コンサルの部署の人が連絡してくれた。
因みにホスピタリストフェローシップで、master of scienceやMPHをとらせてくれるところはあっても、教育関連のマスターをデフォルトで提供してくれるところは他にない(はず)。
彼らは当然、フェローにはファカルティとして残ってほしいと考えているので(表向きはそういわないが、絶対にそう)、フェロー後にそのままファカルティのポジションを得ることも容易だろう。(ベイビューも同様であった。)
ネームバリューだけが他のプログラムには劣るが、雰囲気、リソースや条件の面では、即決しても構わないほどよかった。
あとはシカゴ大学の面接が残っているので、果たしてウィスコンシンを超えるインパクトがあるのか、楽しみである。
シカゴは、研究機関としてのレベルも高く、masterコースも取ることは可能、採用されればファカルティ向けの1年間の医学教育フェローシップを並行してでき(医学教育の方の学長は米国でとても高名のはず)、臨床は年2ヶ月ほどに抑えてあり(ここまで抑えているのは、よりリサーチに重きを置いているからだろうが、給料が気になる。基本臨床のデューティで給料が発生しているような気がするので…
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