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フェローシップは無事、卒業できなさそうな話

最近プログラムディレクターから

六月末までに大学院を終わらなければフェローシップ卒業できないよ

とチクチク言われるようになった。

大学院の最終プロジェクトが進まないのは

次から次に降りかかるタスクや問題を

自分の力で解決するのに多大な時間を要するからであり

それらを放置して大学院のプロジェクトばかりやっていたら

フェローシップから得るものはなくなってしまう上に(大学院から学ぶものだけになる)

大学や周囲への貢献がなくなってしまう状況にあるからだ

と声を大にして言いたい。唯一自分と似た状況にある一年目のジョー君にはそれについて愚痴ってきた。

自分が同じピットフォールに落ちないために、以下振り返り

臨床業務が、フルタイムのホスピタリストの半分で済むとはいえそこに、

教育業務
・内科ローテ中の医学3年生の提出する入院ノートの添削と採点が毎月、もしくは隔月(一つに40分以上かかるので、集中してやっても4−5人分で4時間はかかる)→ フェローのカリキュラムに卒業要項には書かれていないのに慣習的にやらされている
・医学生向けのティーチングセッションは最低毎月ペース。最近は月2回以上やっている。臨床推論のワークショップ後には25人近くのノートを添削、採点する必要がある。

ティーチングセッションの見学
月1回ペースでレクチャーの見学することも決まりごとだが、去年やってとにかく苦痛で得るものがなかった。今年はひたすら無視している。

Quality Improvementコースワーク
・毎年1つQIコースに参加し、それぞれのコースに1つのプロジェクトを終わらせる必要がある。そもそもこれだけでもまともに研究プロジェクト1個分の仕事量。
・今参加しているソルトレークのコースの宿題の量が半端ない。大学院のコースをとっているような分量。

大学院のコースワーク
・秋からようやく1学期に1つのコースで済むようになった。それまでは毎学期2−3コースとっており、宿題やプロフェクトだけで1週間が終わっていた。

臨床研究
・2017年1月に新しい総合内科長が就任してから、フェローシップにも論文重視の流れが。突然毎年最低2つは論文がアクセプトされなければダメと言われる
・上記の仕事・コースワークだけでも明らかにフルタイムの人よりすでににオーバーワークな上に、外病院から来た人にとってはすぐに結果を出せというのは無理な話 → 毎年1つで良いと言われる
・そのため、2017年中に他の人が誘ってくれた、終わりかけの研究に途中から入れてもらい、論文を(その人たちのために)ゼロから2枚書き上げたが(自分の研究分野と違うトピックで、文献検索から始めるため一枚に40時間以上はかかる)、それから一向に話が進まず、提出する気があるのかすらわからない(怒)。
・しかし周囲に統計をまともに手伝ってくれる人が皆無だった(新しい科長のおかげで2017年の後半になってようやく統計に関しては解決された)。自分がデータを集めていた2017年初めは誰も役に立たず、6ヶ月近く時間を無駄に使ってしまった。
・しかし周囲に臨床研究をガイドできるメンターが未だ少なすぎる。アドバイスだけでおしまいの人ばかり。新しい科長のアプローチを見ていると、研究のアイデアを最適の研究デザインを考えるまでたった一回のミーティングでたどり着くことも多々あるので、ただただ羨ましい(自分とは残念ながら分野が違うので自分は彼の主催するミーティングで彼のアプローチや知識を盗んでいる)。
・しかも周囲に教育研究をガイドできるメンターできる人がいない。教育プロジェクトならできるが質の高い研究ができる人はほぼいない。
・科からのサポートが極端になかった。新しい科長のおかげで臨床研究サポートに関しては2017年後半から改善しているが、自分にとっては悪戦苦闘した一年半が過ぎた。

きわめつけは就活が難航して、相当な時間と労力を使った。

結果、求められていることを2年で全て終わらすのは不可能(生え抜きでない限り)。

普通のホスピタリストが5年以上かけて学ぶことを2年で全てやろうとしているわけなので、それに見合うだけのアカデミックな人材・メンターが必要だが、ここのフェローシップは新しく始まったばかりなので、いまのカリキュラムのままで目標を達成させるにはまだまだ時間がかかりそう。

にも関わらず、せっかく投資して育てたフェローは簡単に手放す(そう自分のこと)。いくら総合内科長やプログラム・ディレクターが頑張っても、ホスピタリストの採用の実権を握っているホスピタリスト課長がニーズやビジョンをシェアしていないとこうなる。

なぜこうなってしまったかについては次の日記で振り返ってみる。

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