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QIコース第2セッション振り返り

第1回目はブレント・ジェームス先生の話ではっと目覚めたような感覚を覚えたのが記憶に新しいが、先月のセッションから帰った後は、就職面接、ビザ申請の準備などで一瞬で1ヶ月経ってしまった。

今回の宿題は、本を2冊完読し、さらに自分のプロジェクトのMission statement, conceptual diagram/flow chart, team structure/members, aim statementまでを完成させ、SPC Chartの練習をやってくるというもので、大学院のコースをもう1個取っているような分量なのは変わらない。

宿題に割く時間は恐ろしく限られていたので、とりあえず2日程度でSPC Chartの本を通読し、自分のプロジェクトを進めた状態で第2セッションに臨んだ。2冊目の本は帰り道で読んでしまわないといけなくなった。

第2セッションは、3日間ともQIデータと構築・実践について、また、適切なプロセス・アウトカムデータを見つけるために、プロセスを明らかにするツールについて学んだ。

データ解析については、SPCチャートの中で、Pチャート、Cチャート、gチャート、XSチャート、XmRチャートを重点的に。

宿題のWheeler著のテキストはもっぱらXmR推しだったのに(コントロールリミットがMoving rangeという実際のデータポイントの値を使って計算されるため、データの性質に大きく左右されずに使えるメリットがある)

セッションでは、XmRは最後の手段として軽く触れる程度だった。

WheelerのテキストはプロセスデータのVariationをどう解釈するかがとてもよく書かれており、そのために宿題に指定されているのだろうが、XmRに大きな期待を持っていただけに残念。

その上、コースディレクターのアレン先生が、XmRのグラフを見せながら、コントロールリミットが(他のPチャートとかと同じように)Standard DeviationSD)から計算されているとか言い出すものだから、

思わず「テキストではXmRチャートはSDを使わず、Moving rangeから単に掛け算と足し算だけで計算すると書いてますよ、60ページに」とその場で指摘してしまった

通常こういう指摘はクラス後に先生にだけ言うが

これだけ大事なコンセプトをクラスメートが誤解するといけないんじゃないか?

と、利益の方が大きいと見て発言

先生も「ごめんそうだったかもね、解析の数式なんかは自分苦手なんだよ」と言わせてしまい

さらに4、50人はいるかという大きなクラスなので、Public speakingがとても苦手な自分には精神的にこたえた

大体毎日セッションのどこかでグループアクティビティが用意されているが、今回は将来使えそうなものばかり!

(そういえば第1回目の時は、ボランティアに目隠しして、部屋のどこかにおいたコインをクラスに質問しながら探すと言うものだった。その回数をカウントしてもらい、どうやったら少ない回数で見つけられるか考える、ということをやった)

1:ポテトヘッドを使ったQIアクティビティ
トイストーリーに出てくるポテトヘッドがバラバラの状態で容器に入っている(そういう状態で売っているらしい)。

4−5人1組のチームを作り、一人がプロジェクトリーダー、一人が敏腕外科医(ポテトヘッドを組み立てる人)、タイムキーパー(容器を開けて、完成、というまでの時間を測る)、データを書いて管理する人、出来上がりの質を評価する人を決める。

戦略、タイム、質を毎回かけるような評価表を配る

ポテトヘッドの完成形の写真がプロジェクターに表示されているので
できるだけ精密に組み立ててもらいタイム計測、質の評価を行う。

まずはボランティアに一度通してやってもらい、その評価を基準として使う

これを毎ラウンド行う。

ラウンド前に、必ずチームで、次は何を変更するか、戦略を考えて表に記載する

評価は完全に見た目に頼ることになるので
チームによってばらつきが出る

でもこれはあえてテキトーな評価スケールを使うことで
デブリーフィングの時にその問題点について指摘してもらう狙いがある

あるチームがあまりに早く終わらせ、かつ高評価を得るので、
「信じらない、Joint commissionを派遣しよう」とか
「彼らのチームから学べばうまくいくかしら」など
やっている最中にも様々な意見が飛び盛り上がった

これはレジデント向けにも使えそうだ

2:Planning tool
より実践的。クラスを10−15人程度のグループに分けて別々にワークショップを行う。
まず、QIのお題・ミッションが与えられる。例えば、自分たちは忙しい救急救命室を持つ病院で働いていて、近くに新しく救急救命センターをオープンした。2年以内にこの新しい救急センターをコミュニティの人たちの第一選択としてもらいたい。さて、チームとしてどうアプローチするか?

まずはグランド・ルールをはっきりさせておく

そしてブレインストーム・エクササイズ
スティッキー・ノートを各自に配布し、それぞれ目標達成のためのアイデアをできる限り多く書いてもらう。

回収し、ボードなり、壁に貼っていく

大量に貼られたノートを、3人ずつ前に出てもらい、グループに分けてもらう

次の3人は、前の3人のグルーピングを引き継ぐので、入れ替えてもらって良い

アフィニティ・ダイアグラム
グループに名前をつけ、それをスティッキー・ノートに書く

インターリレーションシップ・ダイアグラム
今度はグループだけをボードに貼り、2グループ間の関係、どちらがどちらに影響するか、または関係ないか、矢印を書いていく

すると、それぞれのグループが、外へ向けて書かれた矢印(OUT)と他のグループからきた矢印(IN)を持つはずなので、INOUTの数をそれぞれのグループごとにカウントする。OUTが多いほどアウトカムとしては重要。

ギャップ・アナリシス
同じようにグループだけを再度ボードに貼り、対角線状のグループ同士を線で結び(中央の点が10点、スティキーノートの根元が0点)、現状で自分たちはどこにいるのか(10点だともうやることはない完璧な状態、0点は全く何にもなされていない)点数をつけていく。これでどれだけの仕事量が残っているかを推察する。これは関連するデータがあればあるほど正確になる。

先ほどのOUTのカウント数 X  ギャップの点数で、どのプロセスを最優先するかが見えてくる、というアクティビティ

3:Red Beans Game
1000(か5000)個の小さなビーズくらいの玉が入った入れ物があり、そのうち20%が赤玉、他は白玉。100個のくぼみのある板が2枚用意してあり、二人のボランティア(男女の組み合わせの方がいいらしい)に一枚ずつ板を渡し、玉をすくってもらう。必ず毎回100個の玉がくぼみにハマるので、その中の赤玉をカウントしてボードに書いていく。毎回玉は入れ物に戻すので、赤玉の単純な確率は20%(1回のすくいで20個)。これを交互に10セット繰り返してもらう(一人につき10回すくってもらう)

これは従来型のマネジメント・システムを反映したエクササイズで、これを通して、従来のシステムの問題点を体験するというもの。そして見ていてとても面白い!
始める前に、ファシリテーター(会社でいうマネージャー)からボランティアの二人(平社員)には目標値が与えられる。

「赤玉は不良品を意味する。毎月(毎回)15以内に赤玉を抑えてくれないと会社の目標に届かない」

会社や病院で毎月の目標値を設定して、それを達成しろと指令がくるのは良くある話だ

さらに、すくい方まで指導される

「必ず、容器の後ろの方から前に救って、たまを戻すときは一つも落としてはいけない」

これを破るとバイオレーションとして罰せられるわけだ。これも良くある話。

ちなみに、赤玉の確率(20%)は最後まで伝えられていないので、ボランティアは必死に玉をすくう。確率的にそもそも不利なので、15個以上すくってしまう場合の方が多く、意味もなく必死になる。

初めの3回くらいやったところで、マネージャーが発破・プレッシャーをかけ始める。

「(赤玉の多い方の)Aさん、君はパフォーマンスが悪いようだね、何か工夫できることを考えよう。何か考えはある?」

Aさん「えーっと。いや頑張ってるんですけど。ちょっと浅くすくってみるかしら?」

マネ「あー、そういうことか。そういえば、君は教えた通りに、後ろ深くから救っていないじゃないか!この角度で入れて、この角度で出すんだよ、わかった?」

Aさん「えー????やってますけどー。はい、わかりましたよ」

納得いかない様子ですくう。赤玉は、、、20個。

そして次のターンにも、意味不明なマネージャーからの助言

「自分の人生について振り返ってみたほうがいいよ、絶対それでうまくいくから」

Aさん「はぁ?わかりましたよ、やりますよ」

そしてすくう、、、赤玉は、なんと12個!

クラスに爆笑が起こる。

がマネが助言した通りにやったら目標値に届いたので

マネは「ほら、効果あるだろ?」となる

その後も、「じゃあ、残り4回全部15個以内なら、ボーナス2倍!」とモチベーションや、インセンティブを与えて見たりと毎回従来の上司が使いそうな手を使っていく

最後に種明かしをするが(そもそも赤玉の確率が20%と高めに設定されており、毎月平均15個は達成困難だったこと)

要は、システムがその目標・アウトカムを達成するだけの能力がなければ

個人がどう頑張ろうが、無理な話。

システム自体を改善することに労力を割かないと意味がない。

システムがどんなパフォーマンスをしているか知る術(つまりQIのデータの使い方)を知らなければ

人生について振り返るーーー>不良品(赤玉)が減る、という因果関係について

明らかな間違いを犯すことになる

馬鹿げているが、要点を押さえており、面白かった。

今回、Intermountainがやっていることの実例が多く紹介されたが、話を聞く限り、Intermountainがやっていることは今の大学病院をはるかに先を行っている

今の大学病院はVizientというUnited Health Care (UHC)が管理する全米130以上のアカデミックセンター(95%程度の大学病院をカバーするらしい)の患者データ上

総合的なケアのクオリティで、メイヨーとニューヨーク大学病院に次いで全米3位

おそらくIntermountainはこれに入っていないのだろうと思うのだが

そもそも、病院のロケーションや患者層によって不利有利が出てくるので

こういうランキング一つを見ても、

医療の質を本質的に評価するのは今だに難しいのが実情である

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