Merriamの第6章振り返り
定義を書くなら“Dramatic change in the way we see ourselves and the
world= Changing what we know”で、対比になる言葉は、”Informational learning=extending already established cognitive capacities into
new terrain”。
理論の説明がなされているが、Experiential learningやこれまで学んだ学習理論との共通項がとても多いことから、要は学習者の「レンズ」(物の見方、考え方=Perspective、もしくは信念感情態度=Affective)が変わったかどうかの学習結果(Outcome)に注目しているという点以外、頭の中で起こっていることは一般学習理論と大差ない。
この考えが頭に浮かんでいたため、Merriamが「最近の研究結果から、本能的、感情的な反応だけで同じレベルの変化(Transformation)が起こりうる点をどう理論に組み込み説明するかが課題」のようなことを書いているのも、単に過去の経験(Past
experience)がReprocess・Relearningされる際に、これまでと違った意味(Meaning)を見つけるのか、同じ文脈の意味をBuild onする形になるのかの違いでしかなく、感情がこの学習プロセスに大きな影響がある事実はよく知られていることだと思った。
Lenses of transformative learningには、Individual(Psychocritical, Psychodevelopmental, Psychoanalytic
Perspectives)とSociocultural(Sociale-Emancipatory,
Cultural-Spiritual, Race-Centric, Planetary approaches)の計7種が知られている。
Mezirow’s Psychocritical approach
「過去の解釈を使って、新しい・改変した解釈を学ぶ過程」を学習と定義し、「当然だと思っていたFrames of
ReferenceをよりInclusive、Open、Emotionally
capable、Reflectiveに、より真実もしくは正当化されるものに変化させる過程」をTransformative学習と定義した。
意味の構造(Meaning Structures)として、Frame
of Reference(=Perspective:Cognitive, Affective, conativeの3つの次元), habits of mind(=Set of
assumptions:Perspectiveの一部で、解釈のフィルターとして働くBroadな因子), points
of view(=Meaning schemes、A Set of Beliefs, feelings, Attitudes
Judgement)があるとした。
Point of view(態度や信念などは意識しやすく指摘されやすい)よりもhabits of
mindが変わるのが難しい。
変化の過程の重要因子:本当は10Stepあるが、主な通過点は4つ。
Experience;Critical reflection;Reflective
discourse(対話);Action(直ちにか後にか、それとも思考の中で)
Social Actionが起こってこそ学習という立場の学者もいるので、Social Actionの3Stepにも言及。Becoming aware of a need to
change、A feeling of solidarity with others committed to change、Has to learn What acitions are appropriate in TheIr
situations to Try change。
Disorienting dilemmaが契機となる:大きな、特定のライフイベント(最愛の人の死など)
Actionには4Stepが含まれる:新たなスキルや知識を得る、新しい役割を試す、関係を見直す、新しい役割や関係性の中でのコンピテンスや自信を培う
クラスメートはこの理論に沿ってある現象・問題についてReviewを書いている論文を紹介していた。ピンポイントで探すと、いろいろな成人学習理論のフレームワークを使ってどう実際の教育や臨床にApplyするかという論文はたくさんある。
Daloz’s psychodevelopmental perspective
MezirowがTransformationをRational理屈で持って説明しようとしたのに対し、ここからの二つはよりHolistic・Intuitiveな視点。
この理論では、Transformative Learningの目標はLifelong
Personal development
Teacher as a mentor・Guide・Cheerleader・Challenger・Supporter
学習者が自身と世界の概念を調べ、新しいより発達した視点を見れるようににプッシュしてあげる。まずは学習者に耳を傾ける、NeedsやValueのアセスメントはとても大事。
スタンスとしては、“Storied approach to development and
transformative learning(Journey toward a more Holistic and transformed world view
through Storytelling)“
この発達していく過程の3Step Mapsを提供したらしいが、残念ながら全て文字での説明。
First map:Phase theories of adult development(歳をとることで皆が直面する困難やタスクに関する)
Second map:Stage theories(Cognitive
growth、自分の文化価値観を超えた思考ができるか)
Third map:Perry’s Model of intellectual and
Ethical development(単純思考から複雑思考への旅路)
Boyd’s psychoanalytic approach
TransformationはEgoやCollective
unconsciousといった精神の一部からの“Inner Journey of individualization“。さすがは心理学から生まれた発想。今流行りのSpiritualityを1990には提唱していたらしい。
Dialogueが重要という点ではMezirowと同じ。
個人的ジレンマや意識の拡大により、より大きな統合性の高い人格へと成長する、人格の基本的な変化をTransformationだと見ている。Personality changeと言っている時点でこのスタンスには反対。PersonalityはPerspectiveよりもさらにディープであり、変化を定義・測定するのは困難なように思う。
Freire’s social Emancipatory philosophy
最も知られたSocio-Cultural approach to Transformative learning
これまでの理論は「個人」がフォーカスだったが、この理論は、貧困、理解力、抑圧の文脈から生まれたもので、Social
changeというもっと大きなフレームワークを提供する。
Banking EducationとProblem-posing Educationを区別した。
これは単にTeacher-centered Teaching(バンキング)と、Learner-centered
learning through Discussion and investigationとを区別しているのと同じレベルの話に見える。
Problem-posing Educationでは先生と生徒がCo-investigatorとし現実問題解決に取り組む。Dialogueにより様々な抑圧的力へのConscientization(意識化)が起こり、Social changeの一員となっていく。
意識化のレベル
At The least aware level:世界に疑問を持たない状態、何も変える必要がないという認識
Midway level(Between unaware and Critical
consciousness):生活に幾らかのコントロールがきき、世界に疑問を持ち始める。
Critical consciousness:最も洗練されている状態。生活を形作っている力への深い理解があり、違う現実を形成する一員となれる。
Critical reflectionが重要な点ではMezirowと同じ。
Socio-Cultural perspectiveは割愛。キモはCultureの役割を含めること。Inclusion of traditionally silenced and a Sense
of belonging As a member of The groupを促進する。Planetary viewはもはや別次元。コスモ、地球、地域、個人まで話を広げていて現場で使えそうもない。
Transformative learningにおける重要なコンセプト
Experience経験:
Direct embodied experience、Vicarious
experience、Simulated experience、Collaborative experience、Introspective experience(例えばMeditation)に分けられる。あえてこのように分ける必要性を感じないが。
これを解釈するときに、「Past experienceとリンクさせる」「現在の仕事など周囲の状況にリンクさせる(すなわちRelevancy)」「SimulationなどのActivitiesを作る(Active
participation)」が挙げられているが、これらはこれまで学んできたことをなぞっている。
Critical reflection
「過去の経験で対処できない経験があったときに、Transformative learningの過程が始まる」、これも成人学習理論でやった。Jarvisの理論とほぼ同じ。
MezirowはReflectionを3タイプに分けて考えた。
Content Reflection:出来事そのものを振り返る
Process Reflection:その経験をどう対処したら良いかを考える(Problem Solving)
Premise Reflection:経験や問題に関する長期的な社会的に形成された推測、信念、価値観について考える。Social
Contextで考えるバージョンか。
Brookfield’s model of critical thinking process (5 stages)
1 – A trigger event:Inner discomfortを起こすような出来事
2 – appraisal (Self-examinationと同じ)
3 – Exploration:新しい意味や考え方を探す
4 – Developing alternative perspectives(Action・Practiceと同じ)
5 – Integration of new ways into life:Transformation完成
Critical thinkingはPower relationshipを精査するのに役立つと。Hegemonic
assumption(覇権的推測:Taken-For-granted assumptions)=Status
quo。
Development
Transformative learningにはPersonal
developmentの概念が含まれる。
Coscious I(Critical thinkingができるキャパの発達)
Transformed capacity for thinking(より対話的、システマティックになる)
Capacity to Be a conscious creative force in The World(周囲への対話を高めるレベル)
Taylorは、DevelopmentのStageを描写した。これは基本、学習者の発達全てに通じる。SDLでも似たことを学んだ。
1:Moves toward knowing As a dialogical Process
2:Moves toward a dialogical relationship with oneself
3:Moves toward BeIng continuous learners
4:Moves toward Self-agency and authorship
5:Moves toward connections with others
どのようにTransformative learningを現場(Workplace)に適応するか?
Challenging, supporting, visioning=漠然としているがコンセプトとしては可(Daloz)
個人の違い、嗜好を認識し、Critical questioningやRole-playsなどなど色々な手法を使うのが良いと(Cranton)。学習者の馴染みのない状況において、学習者の多様性を最大にし、ActionとReflectionをバランスしながらTeamで実践する(Lamb)。どれもありきたり。
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