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12月, 2017の投稿を表示しています

フェローシップ定期報告会

3ヶ月に一度あるフェローシップの定期報告会 去年は大勢のメンターと課長、科長レベルが毎回来てくれて プロジェクトなどで困っていることに対して手厚いサポートが受けられた 今年に入ると途端に出席率が悪くなり 最大のステークホルダーである総合内科長がなかなか来なくなった😭 一年目フェローのジョー君にも メインのメンター一人と、ホスピタリスト課長がQIのプロジェクトに関わってくれているはずなのだが 今回は何と彼のメンターは一人もこず かろうじて自分のメンターが二人来てくれていたので 最低限の体裁は保たれた形だが 自分の発表が終わった後は いつものフェロー二人+フェローシップディレクターの組み合わせで プロジェクトについて議論をした それは月に2回ずっとやっていることと変わらないやないか💨 これでは科長に不出来なフェロー二人のせいだとか思われても仕方がないが 根本の原因は僕らというより やる気のあるフェローを生かせきれない(主に中間の)上の人たちの問題だ💣 基本受け身で自分ではろくにプロジェクトを進められない人たちが多い グループアプローチが流行りとなった今日この頃 プロジェクトに参加してくれる人を(純粋な善意で)募集しても さらさら手伝うつもりもないらしい 仕事は溜まっていく一方 学会の抄録(アブストラクト)も正直やる気もないが Oビザになる場合、学会発表も業績として使えるそうなので 一日で5本書いてみた 後は論文も一日で5本くらい仕上げて 論文至上主義の科長をギャフンと言わせてやろう ありえない無理な話だが

夜勤あるある

11月中に起こった夜勤中の悲劇 その時は怒り心頭だったので 1か月ほど熟成させておいた 問題は夜勤中、日勤の人の見逃し、不手際、そして標準には程遠い治療のしわ寄せが全て自分一人に相談されるという悪夢をよく経験することである。 あるあるフレーズ 退院が決まっている患者の退院書類が一切準備なされていません 退院時処方箋がありません 退院のオーダーが出ていますが、本人に退院のことが伝わっていません 退院のオーダーが出ていましたが、家に引き取る家族に説明がいっておらず説明を求めています この薬の処方の意図はなんですか? (夜勤帯に切り替わった瞬間)先生、患者さんの状態が(日中からすでに)良くないです 患者が痛み止めが効かないと言っています、(日勤者は何もしなかったから)なんとかして 家族が病状説明を要求しています などなど 以下は起こりうる最悪に近い状況を想定した仮定のエピソードである。 入院担当でもないのに、ついて早々に1件入院を取らされる。ERからの急性腎不全。尿検査も何もされずアセスメントゼロの状態で患者は病棟に上げられている。されたことは、尿毒症でかゆがっているからと抗ヒスタミン薬が90歳の患者に投与しただけ。これは患者やナースに、この人に抗ヒスタミン薬を使って問題ないという印象を与えると共に、1-2日以内にせん妄になること間違いなし。せめて原因も治療してくれ。尿検査の採取から始まるので、治療に数時間の遅れが生じる。 同時にに病棟から次々に状態の宜しくない人の相談がくる。ただいつもはこういう嵐は午前1時にもなればピークを過ぎる。そう心の片隅で期待している自分がいる。 まずは病棟で再発した糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)患者。診断を付けた後もインスリンを変えずに管理している。背筋が凍る。ささっとインスリンのオーダーを変えて次に移る。しかし薬局から糖尿病チームが推奨した用法だからてめえごときが勝手に変えるなとオーダーを戻される。彼女の主張を聞く限り権威に惑わされ、病態に考えが及んでいないようだ。責任を取るのはこっちなんだけれども。 そうしている間にも別件。日中からずっと反応が乏しかったという患者の相談。日勤チームが色々検査をした形跡があり、ノートにもしっかり記載されている。大きな変化はないようだが、家族が心配しているか...

ソルトレークシティーへ毎月出張する話

フェローシップのカリキュラムの一環で1年に1つQuality Improvementのコースに参加させてくれる 2016年度は今の大学の課長が主催するコースを受けた。正直あまり効果的なコースではないと感じていたのでしんどかった。 今年度は8月から11月にかけてユタ州ソルトレークシティーで行われる秋期コースをとるはずだったが、かれこれ1年近く取り組んでいる一大QIプロジェクトが腫瘍内科からの反対により中々進んでいなかったためなくなく1月から4月の冬期コースに変更してもらっていた。 受けるコースは決まっていて強制参加 だが、逆に面倒な申し込みやら手続きはほぼやってくれるのでとても助かる。こういうところはわざわざフェローシップをするメリットだろう。 受講料7000ドルに加え、4往復分の飛行機代と11泊分のホテル代もすべて 病院持ち。 後輩にあたる1年目フェローが大学院の授業料に対して税金が掛けられてフェローの給料が1年目レジデント同等かそれ以下になっていることに多いに抵抗したこともあり、このQIコースは税金対象にならないことが事前に確認された。 そういえばQIプロジェクトは、腫瘍内科からの難題をことごとくクリアし、ようやくコンセンサスが得られる段階までこぎつけた。あとはもう1回のミーティングをクリアすれば、実行される手はずである。 そうとうストレスが多い過程だったが、コンセンサスを得るために納得させるだけのデータを集め話あう、これがチームでプロジェクトをするということだと学ぶことは多かった。 無事にホテルと飛行機チケットをすべて手配してもらい、幸いプロジェクトも軌道に乗ってきたので、コース中も問題なく修了できるだろうとホッとしている(プロジェクトが終わらないと修了証をくれないらしい)。 リーディングの量が半端ではないのですでに死にかけている 初回のセッションまでに ビデオ講義45分程度を3-4本 15ページから60ページの論文・章を6本程度 参考文献として、本が丸々2冊 データ処理についてのファイルが複数 そしてプロジェクトの初回プレゼンの準備 一体すべてに目を通せるほど時間のある医療者がどこにいるのだろうか…

面接に推薦状を要求されるも即解決

面接に呼んでくれている大学病院から 突如として推薦状3通 うち1通はレジデンシーのプログラムディレクターから と連絡がきた 以前なら「とほほ…」となっていたところだが 幸いにもレジデンシーのプログラムディレクターとは まずまず良い関係のまま連絡もとっていたし フェローシップの時の推薦状をアップデートしてもらうだけですむ 今のフェローシップのディレクターとの関係も良好なので あと1人を今の大学病院から探せば良いだけだった 一緒にプロジェクトをやっている人の中で 周術期課の教授が 臨床研究、Quality Improvement、医学校でのティーチングについて かれこれ1年以上よく面倒を見てくれているので その人にメールでお願いしたところ 喜んで書いてくれるということだった あとは面接を無事にアレンジできるか (この段階で話が流れることもあった) 成り行きを見守ることとしよう

大学院:態度(Attitude)のコースの振り返り

今学期一つだけ取っていたこのコース 宿題自体は難しくなかったものの、毎週のリーディングに苦戦 話が細かすぎて、全体像が全く見えず 読んでいてもすぐに興味を失うし 全く頭に入ってこない なんども読み返す部分も多くなるので 感覚としては1.5コース分の時間を割くことになった 結局2冊のテキストを1ヶ月丸々1冊ペースで読むプラス プロジェクトのための文献読書量も結構なものだったので 量的にもまずまず多い方だった しかし、後半になり内容が整理できてくると 相当興味深い分野(主に社会心理学) そして医学教育者や医学教育研究者にとっては 結構重要な内容だった 医学生のある物事に対する態度を変えるにはどう考え、アプローチしたら良いか 患者の自分の病気や健康に対する態度を変えるにはどうアプローチしたら良いか はたまた、どうやったらその態度や変化を測定できるのか 自分たちがよく使う質問票・サーベイを使う時に、そもそも何を測定しているのかを理解し、限界や問題を知り、どう改善し、測定が正当であるかをサポートするか 学期の途中までは、相当な数の理論や現象を理解したり、半ば無理やりに自分の実臨床や教育現場に適応させたりしていたが 20人余りいたクラスメートからの学びも手伝って(オンラインコースの利点としてクラスメートの課題は全て読めるし、フィードバックもしなくてはいけないので、色々な視点や考えを学べる) 有意義な知識を得ることができた そもそも、ここら辺の知識を持ち合わせない人が医学教育研究やサーベイを用いた臨床研究をすることに無理があるので なぜ大学院レベルでしか教えないのかが不思議でならない これまでやってきた研究の多くにサーベイを使ってきたが、メンターの誰一人として今学期で学んだことを実践したり教えてくれる人はいなかった 実際、学期中に目を通したサーベイを用いた研究において、言っていること(ある態度を測定する)とやっていること(実際に用いている質問票)がしっかり学問的に一致している文献はごく一部しかなかった 自分もそうだが、多くの人が本質的に何を測定しているかもわからずに質問票を作っているんだと感じた ちょっとした質問の仕方一つ違うだけで、えられる回答が異なったり、その物事に対する意...

モンスターペアレントが出来るまで

連続5日目の採血に行ったところ ド下手(どS?)なナースが案内してくれたので 連日の採血に、心情的にも「いい加減にしてくれ」と思っていたので かかとを温めるホットパックを付けている時に 「採血する時に、足とすねの間にあなたの指を挟んでやってもらえますか?前回は足を折りたたむように絞っていたので。自分もこの採血をやったことがありますが、あれだと痛いかも。」 とお願いしてしまった。 モンスターペアレント になるという罪悪感を十分に堪能した。 (小児科で働いていた)妻からよく聞かされていたモンスターペアレントそのまま 数年前「このナースは担当から外してくださいとかありえないねー」とか言っていた自分が恥ずかしい 影でボロクソに言われたことだろう 前日、ナースが検査結果を電話してきた時、「明日再検するのはいいですが、今後のプランは?まさか正常値になるまで続けませんよね?」とすでにクレーマー化は始まっていたのだが。 すると戻ってきたのは違うナースで、手際よく採血をやって去っていった。クレームを受けて代わってもらったのだろうか? そういえばNYの時は、少なくとも内科と産婦人科は必ず医者が結果を電話で連絡していたので、それが当然だと思っていたが、それが常識ではなかったらしい。ここでは内科も小児科も異常な結果含めてナースが普通に連絡してきた。 4日目の電話で、さすがに質問したら(案の定)ナースは答えられず、「明日先生に答えてもらいますね」と逃げられた。 ナースがなんでもやってくれるのは医師からすればとてもありがたいが、なんらかのアクションを必要とする検査結果はさすがに医師かナースプラクティショナーが連絡すべき…ってこんなの常識じゃないか? そもそも常識の範囲を自分の基準で決めることに無理があるようだ

しがらみだらけのアメリカ就職事情

生活、キャリア、研究全てにおいてよきメンターとなってくれている フェローシップのディレクターには 「就活が終わらんと他のことに集中もできない」 「アメリカの大学病院からオファーがなかったら、アメリカの地域病院ではなくて日本の教育病院を探す」 と進路について包み隠さず相談していた 話が進んでもビザの件でことごとく話が流れていく状況を見かねた彼から 「自分のレジデンシーの時の後輩が〇〇大学のディレクターをしているから、O1ビザで雇ってくれないかメールしといた」 と突然言われた。 そもそもその大学病院にはリクルート担当の(多分)事務の人に1ー2ヶ月ほど前にメールしており、O1云々以前に、「Jだからだめ」と冷たくあしらわれていた。 しかし、ディレクターがメールをして数日後には その知り合いの先生から 「僕がリクルート委員会の代表者だから、弁護士に聞いて見たらO1大丈夫そう、その情報で持ってリクルート委員会で話し合って、インタビューの許可おりたよ」 と返事が返ってきた。 レジデンシーの応募の時もそうだが 内部に知り合いがいたり、事前に実習に行ってお偉いさんとパイプができていると ビザやテストの点数云々問わずに採用されるのは (人脈を作るのも大事な能力という意味だが) 実際の就職でも同じのようだ

アメリカでインプラント治療受けてみた

と軽いノリでインプラントしたわけではないが ことの始まりは4年前に遡る 渡米して半年もしないくらいの時に歯が痛み 歯根管治療をニューヨークで受けたのが全ての始まり 「神経1本1本が大分細いからアプローチしづらくて、しっかり細菌を取り除けるか分からない」 「でもとりあえずやってみるから、感染したり問題が起こるようなら専門の歯科に紹介することになるわよ」 削っている途中にそんな感じの宣告をされた(ちなみに日本語話せる先生だった) 治療後すぐから、治療部位の歯茎は黒っぽく変色し 常に軽い圧痛がある状態だったが 「とりあえず問題ない」と言われていた。 とりあえず症状に変化はなかったので 約3年半、通常の年2回の歯科健診だけを受けていた そして半年前、ある時その歯が猛烈に痛み始め 今の歯科の先生にレントゲンを撮ってもらったところ 歯根治療した根本が膿んでいると言われた 痛みも2日ほどでひき抗生剤で散らして様子を見ていたが 3−4ヶ月後に撮ったフォローアップのレントゲンでは変化が見られず 口腔外科医に歯を抜いてもらい インプラントを同時に埋めてもらった 少しだけ膿が残っていた、と言われたが その場で表面を綺麗にして消毒してインプラントを入れて問題ないとのことだった どんな痛い治療をされるのかをハラハラしていたが 歯根治療後の歯を抜くのに2−3分程度 その後の処置とインプラントを入れるのに5分か長くても10分程度だっただろうか 局所麻酔以外は痛くもなかった その日は結構長いこと出血し続けて大変だったが 翌日眼が覚めると一応止血できていた 痛みは2−3日あったのと その後数日腫れが頬から触れてわかるくらいに広がったが 1週間後の再診までには腫れも痛みも完全にひいていた インプラントだけで2000ドルちょっと それプラス、初診と抜歯のお代を入れて 2500ドル超えるくらいだった これに骨のグラフトを先に埋めなくてはいけなかったら さらに600ドルだったらしいが 幸いグラフトは免れた 今の保険でインプラントが80%カバーされるのだが 年間のカバーの限度額が1000ドルも残っていないくらいなので 結局1500ドルくらいは手出しになるようだ...

我が子、ホタルになる

怒涛の1週間が過ぎた。ちょうど1週間だ 1週間前の今頃、出産の立会いのため分娩室にいた 生まれてからも2時間以上分娩室にいたように思う そしてその間我が子の体重は測定されず、体もふかれず 生まれたままの状態で我が子は最初の2−3時間を過ごした 後で気づいたことだが、分娩室の時はだいぶ手足の色が悪かった その後もここの大学病院はニューヨークの病院の経験とはだいぶ違った 思い返してみると色々違って興味深いので以下比較 □NYではナースのトリアージは判断も過程も全てが早かった。ここではトリアージナースは内診までして、2時間後にまたくると言い残し、1時間ちょいした時点で陣痛がさらに強くなったので呼び戻したら、あたふたしながら産科医、麻酔科医、分娩室に連絡していた。これ付き添い(自分)がいなかったらトリアージ室で分娩が進行して希望していた硬膜外が入れる猶予がなくなり患者からしたらありえない結果になっていただろう。 □NYでは麻酔科レジデントは指導医の直接監督下で硬膜外を入れていた。ここではレジデント一人で入れていて、なかなか入らず叫ぶほど痛かっていた。一概にレジデントが下手だったとは言えないが、痛くて早々に姿勢がずれていたので、一人ではやりづらいだろうなと思いながら見ていた上に、持続注入前のボーラス投与が全然効いていなかったので、さすがに印象は悪い。 □NYでは生まれたら即病棟へ移してくれた。ここでは病棟はガラガラだったのに、あの2−3時間のナースだけによる観察時間は何の必要性があるのか患者からは理解できない □NYでは我が子がビリルビン採血で大きなアザ(皮下血腫)を作ってくることもなかった □NYでは祝日には日勤帯に2回ナースが変わり、1日で4回もナースが変わるなんて馬鹿げたシフトも経験しなかった。午後に3時間だけ受け持ったナースは、自分の勤務終了前にバイタルを図るねと言ったきり、一度もあわられなかった。その時はナース間のベッドサイドの申し送りもなかった。 □NYでは英語に不安がある患者に電話通訳を使わないとか、グーグル翻訳を使うなどありえない □NYでは二人部屋だったが、ここでは個室なのは良かった。食事は患者か誰かが電話で注文しないと持ってきてくれないというのはカルチャーショックだった。 この大学病院は全体的にナー...