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大学院:態度(Attitude)のコースの振り返り

今学期一つだけ取っていたこのコース

宿題自体は難しくなかったものの、毎週のリーディングに苦戦

話が細かすぎて、全体像が全く見えず

読んでいてもすぐに興味を失うし

全く頭に入ってこない

なんども読み返す部分も多くなるので

感覚としては1.5コース分の時間を割くことになった

結局2冊のテキストを1ヶ月丸々1冊ペースで読むプラス

プロジェクトのための文献読書量も結構なものだったので

量的にもまずまず多い方だった

しかし、後半になり内容が整理できてくると

相当興味深い分野(主に社会心理学)

そして医学教育者や医学教育研究者にとっては

結構重要な内容だった

医学生のある物事に対する態度を変えるにはどう考え、アプローチしたら良いか

患者の自分の病気や健康に対する態度を変えるにはどうアプローチしたら良いか

はたまた、どうやったらその態度や変化を測定できるのか

自分たちがよく使う質問票・サーベイを使う時に、そもそも何を測定しているのかを理解し、限界や問題を知り、どう改善し、測定が正当であるかをサポートするか

学期の途中までは、相当な数の理論や現象を理解したり、半ば無理やりに自分の実臨床や教育現場に適応させたりしていたが

20人余りいたクラスメートからの学びも手伝って(オンラインコースの利点としてクラスメートの課題は全て読めるし、フィードバックもしなくてはいけないので、色々な視点や考えを学べる)

有意義な知識を得ることができた

そもそも、ここら辺の知識を持ち合わせない人が医学教育研究やサーベイを用いた臨床研究をすることに無理があるので

なぜ大学院レベルでしか教えないのかが不思議でならない

これまでやってきた研究の多くにサーベイを使ってきたが、メンターの誰一人として今学期で学んだことを実践したり教えてくれる人はいなかった

実際、学期中に目を通したサーベイを用いた研究において、言っていること(ある態度を測定する)とやっていること(実際に用いている質問票)がしっかり学問的に一致している文献はごく一部しかなかった

自分もそうだが、多くの人が本質的に何を測定しているかもわからずに質問票を作っているんだと感じた

ちょっとした質問の仕方一つ違うだけで、えられる回答が異なったり、その物事に対する意見・態度の違う側面を聞いていたりする

現状のエビデンスでは分かっていないことも多々ある分野のため

今後サーベイを見たり、作ったりするたびに少しずつ引き出しを増やしていく必要がありそうである

これだから学ぶのはやめられない

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