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3月, 2018の投稿を表示しています

QIコース第3セッション振り返り・3日目病院見学

インターマウンテンのQIコースは20年以上の歴史を誇るが 今回インターマウンテン史上初めて 実際にインターマウンテンの病院に足を運んで 学んだことが実際にどう行われているかを学ぶための ツアーが組まれたそうだ 病院だけでも20以上、クリニックを入れると相当な数を誇るインターマウンテンの関連病院で 実際にQIの文化が上手く根付いている病院2つと、よりインターマウンテンの傘下の保険会社1つがピックアップされ 自分は中長期的な将来に役立ちそうな市中病院(ベッド数100程度)を選んだ 大学病院の環境に近いこども病院も魅力的だったが 今の大学病院も頑張っている方だと思ったので 似たようなものを見ても仕方ないかと思い市中病院にした 驚いたのは、期待以上に学んだことを実践しており 各部署が同じツールを使いつつも それぞれ思うままにカスタマイズし 目標を設定して カイゼンに取り組んでいた これぞ、ブレント先生の言っていたザ・マス・カスタマイズ 現場のアイデアがふんだんに取り入れられていた 基本一枚のホワイトボードにやっていること、目標などが リアルタイムに一目瞭然に掲示されているので 働いている人だけでなく訪れた人もすぐに理解できる 面白いのは、ハイテク化しているこのご時世でも 個人レベルや現場レベルでカイゼン文化形成に役に立つのは ローテク(ホワイトボードや紙切れ)であるということ ローテクの問題点は、もし日々の改善活動をデータ化して記録しておきたい場合 誰かがコンピュータに手入力しなければいけないことくらい こども病院がどうだったか比べられないが これまで3セッションまで学んできたことを 実際に見れ、組織のトップリーダーであるCEOから現場のマネージャーまで 色々な人からの話や素晴らしい取り組みを教えてもらえて コースの締めの学びとしては最高に良いと感じた 来月の第4セッションはプロジェクトの発表のみなので 学習は今回でおしまい 去年同時期にとっていた、前課長のQIコースは 大学院で忙しい中、本当に時間の無駄にすら思えていたが 今回のコースは、忙しくても参加すべき質だったので 本当にありがたかった 参加費だけで七千ドル、しかも年2回

QIコースのプレゼンがすごい

第3回の発表者に共通していたこと プレゼンがうますぎる スライドが美しい 大学院で学んだことがしっかり実践されている上に 自分の想像を超えて美しく仕上げている 文字も少ない 写真、グラフ、イラストを効果的に あとは、良く練ってきたのであろう ストーリー、筋のしっかりした話で しっかり補っていく ジョークやユーモアも交えており 毎回、発表者が話し始めて5分と立たないうちに 「この人、できるやっちゃなー!」 と感心しきりだった。 そもそもやっていることもぶっ飛んでいるので 久々に、自分がまだまだ未熟なことに 気付かされた 果たして15年後に 彼らと同じ舞台に立っているだろうか 相当な努力と良いメンターの両方が必要そうだ

QIコース・第3セッション振り返り(2日目後半)

チーム・ベースド・ケア( TBC )について。 TBC と言われてもピンと来なかったし、いまだにピンと来ないが(ネーミングのセンスが微妙)、メインの話は 2016 年の JAMA に掲載されたインターマウンテンがやった大仕事の一つである。 アメリカのどこでも似たような状況だと思われるが、基本メンタルヘルス(心療内科・精神科)外来とプライマリケア外来は、完全に別離している。共存など一切していない上に(つまり医療者側からみてもコミュニケーションが取りづらく使いづらい)、結構な数の保険会社のプランがメンタルヘルス自体をカバーしていなかったりするので、患者側からもアクセスが悪い。保険でカバーされなかったり、プライマリケアからの紹介が必要だったりで、結局心を病んだ人の多くはまずプライマリケアに行くわけだ。 しかし、内科を含めプライマリケア医というのは、症状の軽い、もしくは安定した鬱、不安くらいしか治療する程度のトレーニングしか受けない。典型的な治療で症状がコントロールできないと、メンタルヘルスクリニックや心理療法士を紹介することになるが、前述のように、プライマリケアとメンタルヘルス外来は完全に別離しているので、医療者も紹介した後どうなるかわかったもんじゃないし(保険が通るかどうか確実でないし、結構予約がすぐとれなかったりする)、患者側も自分でネットで調べたり、保険会社やクリニックに確認したりしなければいけないこともありうる。 そこで、インターマウンテンは、 TBC というモデルでもって MHI というプログラムを始めたのである。 MHI の MH はメンタルヘルスで、 I はインテグレーティッド?名前の通り、別離されていたメンタルヘルスをプライマリケア外来に組み込んだのである。 アイデアとしてはとてもシンプルだが、やるのは絶対に大変。 TBC ―チーム・ベースーを謳っているように、ただ精神科医や心理療法士がプライマリケアクリニックで働くというだけでなく、メンタルヘルスに詳しいケアマネを配置しケアコーディネーションを円滑にし、メンタルヘルスのスクリーニングをアップデートしナース助手を教育し、栄養士、はたまた周辺のコミュニティの医師も巻き込んでいる。 結果、再入院率は20−30%近く減り、コストも削減できたということで、 JAMA に掲載

QIコース・第3セッション振り返り(2日目前半)

この日は感銘を受けるセッションが盛りだくさん。 Continuous improvement ( CI )についての詳しい話。このコースが終わった後、自分の施設で QI を続けるには、そして病院に QI の文化を作流にはどうしたらいいかというお話。 まずは皆が改善のための方法( METHOD )を共有していないことには、文化が根付くことはない(皆がバラバラのことをやってしまうので)。方法を共有するときに何らかのモデルが不可欠。 インターマウンテンでは、7項目くらいのループを使っている。セッション前は、いわゆる PDSA サイクルの話をするのかなと勘違いしていたが、このインターマウンテンモデルも、 PDSA サイクル(現場)にリーダーシップが関わるステップを加えたような構図になっていた。 そのサイクルの中でも Close the loop はとても重要で、 QI プロジェクトをやったときにやりっぱなしになってしまわないように、フォローアップできるようなシステムが必要である。 QI をやるときに、プロジェクト・フォーカスドと、カルチャー・フォーカスドの二つのアプローチがあるが、 CI を病院に根付かせる上ではカルチャー・フォーカスドが絶対的に良い。なぜなら、プロジェクト・フォーカスドは、問題が見つかったときにその都度 QI プロジェクトをやって改善していく、というアプローチで、これだとプロジェクトはプロジェクト・リーダーの所有物となるので、プロジェクトが終われば効果も薄れてしまい持続性がない。結果や成果を得るのは早いが。カルチャー・フォーカスド・アプローチは、要はインターマウンテン CI モデルのことで、初めのしばらくは時間がかかるが、リーダーシップと現場が一丸となってやり(ここまでは大きくは前者と変わらないが)、長期的なゴール(ミッション)、ミッションを達成するためのストラテジック・ゴール(これも長期的なゴール)、それを達成するために今取り組むべきゴールと、組織としてのゴールをどんどん具体的にしていき、現場と目標を共有しつつ、色々な短期的に達成すべきゴールについては現場にオーナーシップを持たせて積極参加してもらう。上層部は、現場の働きをサポートすべくお互いに協力する。これがサイクルになるため継続し、文化が根付く。 では