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1年目フェローの憂鬱

3ヶ月毎にあるフェローシップ委員会ミーティングがあった

今回から1年目フェローと2年目である自分の二人で出席

基本はリサーチやプロジェクトのアイデア、進行状況、疑問や問題点について

関わっているメンターと科長、課長、フェローシップディレクター達が一堂に集まり、話し合う場である

まず一年目フェロー(ジョー)が取り組んでいる1つのリサーチと、興味がある3つのQIのトピックについて発表

それらのQI(Quality Improvement)のアイデアは、全てカリキュラムを作って教育を改善するものであり、

やるとしたらQI(基本的に臨床業務・プロセス・患者アウトカムを扱う)ではなく教育研究の範疇に入るものであったが

教育にここまで興味があるんだなぁ、と感心して聞いていたところ

「それはQIではないから、QIのプロジェクトを見つけないとね」
「あんまりプロジェクト色々やると一つも終わらないんじゃないか」

課長からまさかのダメ出し

彼は病院全体のQIのリーダーシップポジションにもいるため

当然の発言ではあるが

彼にしては結構言い方がストレートだったので

ちょっと驚き

後でフェローのオフィスに戻ってジョーに聞いてみたら

またQIのネタを一から探さないといけないとため息混じりだった

そしてフェローシップに対する不満を色々共有してくれた

一番の不満はやはり大学院授業料の税金をフェローが払っていることのようだ

フェローの給料はレジデントの時とあまり変わらないのに

そこから平均で毎月500ドル手取りが減らされているのだ

つまりレジデントの時より生活が苦しいのである

これを採用前後にも全く知らされず

大学院開始後の給料明細を見て初めて

自分の生活が苦しくなるという事実を

気づかされるという恐怖

去年自分も相当嫌な思いと苦労をしたので

事務方のトップとファインナンス部門に問い合わせたが

そういうルールなので間違いではないと確認して

フェローシップディレクターに

遅くとも面接の時点で全ての候補者に説明しないとフェアじゃない

と訴えておいた。

その時にはとっくに採用が決まっていてこれを知らされなかった彼も激怒しているようで

ディレクターにこの馬鹿げたルール自体を取り払うよう働きかけてもらっている

こないだディレクターから本当にシステムを変えられないか

偉い人たちにお願いして回っている

と聞いたので

「いや無理でしょ?」とずっと思っていたが

もしかしてジョーは

「こんなふざけたことが続くならやめる」

と脅しているんじゃないだろうか?

アメリカ人であるジョーからしたら、ここで日勤のパートタイムをした方が

生活も困窮しないし

今のプロジェクトも続けていける上に

必要な勤務数も減る可能性があるので

フェローである意味がないと考えるのは必然のように感じる

他にも、彼は臨床研究分野のMaster of Scienceをここの大学で受講しているのだが

色々と波乱が起こっているらしく

悩みの種は尽きないようだ

あまりに不憫に思ってきたので

フェロー同士のプロジェクトにお互いを関わらせ

フェローのプロジェクトや論文を少しでも増やしていくことを提案した

フェローシップを成長させフェローを満足させるには

目に見える形の実績を積んでいくのが一番確実だからだ

論文が最も重要視される世界ではあるものの

何をやっているかも結構評価してくれるところも多い

自分も今就活していて、Jビザでなければ

一流大学も話を進めてくれることが分かったので

ビザの必要ない彼なら

腐らずにやっていけば

どこにでもいけるだろう

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