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12月, 2016の投稿を表示しています

履歴書をアップデートしたら年末の振り返りと来年の目標が見えた話

アメリカ内科学会のコンペに履歴書を提出する必要があり、半年ぶりに履歴書をアップデートした。 アメリカでは定期的に履歴書をアップデートするのは常識らしく、ここの大学のオリエンテーションでもアップデートは常にしておくように言われた。 昇進や、ある大学内でのポジションの募集がかかったときに速やかに提出できるようにするためと、自分がせっかくやったことを忘れず記録するためだと聞かされた。 日本と違って、決まった履歴書の用紙はないので、毎回のようにフォーマットも気分や見やすさに合わせて変更している。 今回大幅に変更したのは、Local Presentationsを大幅に削ったこと。去年はフェローシップの応募のために、少しでも履歴書を盛るために、外来で3ヶ月ごとに担当していたJournal Clubの内容なども含めていたが、もうそこまでする必要もないし、いい加減小さいことを書くのも恥ずかしいので削除。ユニークさを残すため、これまで休暇のたびに日本でやったプレゼンは残しておいた。 これは誰かのを参考にして以前取り入れたものだが、Administrative Serviceの所のVolunteer Reviewerが増えた(こないだやったSHMの分)。未だ院内での重要役割に乏しいのは残念。 あとは、 ・フェローシップがTrainingに ・大学院がEducationに ・大学で受けているQIのコースがProfessional Developmentに(一応Faculty Scholar Program in Patient Safety and Quality Improvementという名前がついていて選ばれた指導医だけが受けれる) ・審査中の4論文原稿もManuscripts in Reviewと新たに項目を設けて ・米国内科専門医をCertificationの所に 追加した。 実際は2・3年生向けのティーチングを毎月やって、4年生のリサーチ指導を始め、卒前教育委員会、せん妄予防QI委員会には毎回出席したり、再入院QI委員会に関わったりしているのだが。正式に任命されているというより自分から首を突っ込んでいる感じなので、目に見える役割なり実績を上げるまでは履歴書には書きづらい…医学生向けのティーチングは回数や評価をトラッキングしてくれている

ACP Dragon's Lairへ挑戦

そもそもDragon's Lair(ドラゴンズレア:竜の巣)の意味がよくわかっていないが、アメリカ内科学会(ACP)がこの名前を使った競争(コンペ)の募集をしていたので、申し込むことにした。 医療を変えるような革新的なアイデアを持った学生、研修医、専修医、指導医全てを対象に、アイデアを募集しているらしく、流行りのHigh Value Careからいつの時代も流行らない医学教育などのカテゴリーに別れている。 勝者には賞金として7500ドルまでのファンディングサポートが用意されている。もしこれが、カテゴリー関係なく全体で一人の勝者ならまず勝機はないのだが、書類選考でファイナリストまで残ると、三月のサンディエゴであるアメリカ内科学会総会でパネリストの前で発表できる上、学会登録料無料特典と、何かしらのトラベル費用の援助があるらしい。 もしカテゴリー別に勝者が決まるのであれば医学教育カテゴリーは狙い目かもしれないということで原稿を描いてみた。 と言っても、目的が500文字、タイムラインと費用が200文字、ユニークさ(自分のウリ)を10文字以内に、履歴書をつけるだけなので、2時間程度で書きあがった。 結果がいつ出るかも知らないが、ファイナリストくらいには残って欲しいと思いつつ、とりあえず結果を待つこととしよう。

怠けを極める

いつからだっただろう。怠ける時は本気で怠けるようになったのは。 仕事や勉強以外のことをしている時は暇人とは呼ばせない、廃人と呼ばれるくらい怠けるなり遊ぶなりすることにしている。 息をするのもめんどくさい、というくらい本気で怠けたい ここ一年くらいは(多分気のせいだが)怠けた覚えがないので、今回ストレスが2ヶ月ぶりくらいに溜まりに溜まったので一度放出することにした。 先日購入したマインクラフトPC版をクリスマスの2日間を使ってやり込んでみた。 とりあえず目標を設定してそれが終わるまでやることに。 ユーチューバーのヒカキンのマイクラ実況を結構みてきたので多少自信があった。 お金と時間があれば、少しづつ進めて、数年間かけてニューヨークや東京っぽい街を作ってみたかったが、さすがに無理 ということで、将来住みたい「理想の家」をテーマに一軒大きな家を建てることに。 しかしマイクラはそんなに甘くなかった。まず通常モードでやったところ近くに村が存在せず、探索中帰り道がわからなくなり何度もモンスターに殺される羽目に。 ピースフルモードに変えてモンスターがほぼ出ない設定に変えてようやく村を発見。周囲に資源が豊富なところにあったので、その近くに家を建て始めたが、大きさも全て適当に決めて作り始めたので、一日で作るにはあまりにデカすぎることが途中でわかった。 (本当はやるつもりなかったが)二日目も続きをやって大まかな外観ができそうかなというところで丸二日たったのでやめた。 アカウントはおそらく残るので、休暇で日本に帰るときにでもまたやりたいものだ。しかしマイクラは中毒性が高いので要注意だと思った。

質的研究も奥が深いと思った話

臨床研究(Clinical research)を語る時に、よく質的研究(Qualitative research)と量的研究(Quantitative research)という二つの大きな手法が出てくる。 レジデントの時に、アンケート調査研究をしたり、後ろ向きに患者データを解析したりととりあえず質的と量的研究の両方を相当に学んだと思ったが、この半年で、どちらもまだまだまだまだ学ぶことが多いことに気づかされた。 量的は単純に難しい。Regression(回帰分析)は秋学期でもやったし、レジデンシーでの研究でもやったので抵抗はないが、何でもかんでもRegressionをやればいいという話でもないんだなぁと思う今日この頃。似たような場面でよく見かけるGEEは結局今回の秋学期では触れなかったし。ANOVAはやったけど、MANOVAはやってないとか、今やっているプロジェクトで計画しているタイムシリーズ解析は統計の人に頼んで一から学ばなければならないとか。これよりももっとデータを解析する方法はあるので、正直終わりはないのだろうとさえ思われる。 質的は、コーディングと呼ばれる分類わけ、テーマと呼ばれる理論をひねり出せば何でもかんでもよく見かけるGrounded theoryと呼ぶのだろう、とか思い切り勘違いしていて、論文のレビュアーに指摘されてから学ぶとか。幸い、次の学期で質的研究について学ぶので、そのために買った指定教科書を早速読みまくった。質的研究っていくつも手法が提案されている上に、本によって書いてある手法の種類と分類法すら異なるし、それぞれの手法がオーバーラップしている感が半端ない。結局自分がやろうとした手法や概念はGrounded theoryが一番あっていると思ったが、どうしてもスタンダードな方法ではなかったので、分類不能の解析として提案されたInterpretive Descriptionという名前で説明した。でも結局オーバーラップしているので、なんともスッキリしない。一応科学的手法なんだから統一しようよ… そもそも本を書くような人たちが合意に達していないんだから学習する方も大変だ。

久々の夜勤

ここ2週間くらいは土日の日勤にシフトを入れてくれていたので、3週間ぶりくらいに夜勤中。しかもひたすら入院患者を入院するだけの一番楽な役割。 12月は大学院が終わってから、フルスロットルで論文を書きつつここでのプロジェクトを進めてきたので、さすがにストレスが半端ない。 前から気づいていたが臨床をしていると気分も体も楽になる。研究は楽しいが、研究者には向いてないんだろうなぁ。やはり一つのことを極めるよりは何事もバランスよくやるのが楽しいし向いているようだ。 最近は、EPICという電子カルテにちょっとした変更を加えられないか模索中。Clinical Informaticsの領域にも少しだけ足を突っ込むわけだが、深入りはしないでおこう。

ホームレス、マインクラフトを買う

最近のマイブームはYoutubeでヒカキンゲームズのマインクラフト実況を見ること。 通常ゲームを見るだけで満足するが、マインクラフトに関しては自分でやってみたくてしょうがない。 …時間もお金ないから諦める。 以前医学教育系雑誌に出していた論文原稿が大量のコメントをつけられて返却されてきたので、昨日から今日の1日かけて全て訂正したが、ずっとパソコンの画面を見ながらない知恵を絞り続けて如何せん気持ち悪くてしょうがない。 この論文は、共著者の先生達が何度も何度も手直しをして、共著者同士で一人が変更したところをもう一人が変更し、挙句僕のせいにしてくるという負のスパイラルに陥っていたので、第3者にさっさと見てもらうべきだと伝えて提出したものだが 見事にレビュアーから大量のツッコミが返ってきた。 ツッコミを一つ一つ丁寧に回答しながら書き直して行く見事に、共著者が追加したものはバンバン削り、自分が一番最初に自分で書いていた内容を書き直す結果となった。 やっぱり一緒に研究するなら、ちゃんと研究の内容が理解できて仕事をやる人がよろしいようで やった研究の趣旨と関係のない情報をどんどん追加され、関係ある内容を削られたから仕方がないけど、2ヶ月ぶりに見ると本当にひどいちぐはぐな内容だったのがよくわかる。あの時のストレスがピークだったのも頷ける。 さっさとこの論文達とおさらばして彼らとの仕事を終わらせたいものだ。 ストレスが爆発してマイクラへの欲求を抑えきれずに、PC版を購入した。

マクドナルド(仮名)と会談

といっても電話会談だが。 マクドナルド(仮名)先生はニューヨーク時代の指導医だった人だ 半年ぶりに電話で話したが、夢見がちな少年のようなことを言っていた。 自分の好きな論文にとにかく投稿させようと進めてくるが根拠と経験がない。 どうなることやら

マスター春学期の準備

大学院の春学期は1月9日くらいから始まるようだ。次は3つのコースに申し込んだ。 二つでも結構後半はきつかったが(前半はそうでもなかった)、3つ同時は果たして可能なのか? マゾ的行為だが、大学院を2年で終わらせるにはこれしか方法がない。 一つ目は、Adult Learningのコース。 担当教官は秋学期と同じ先生で教科書指定は2つ。どっちも結構なボリュームだが、これ本当に両方全部読まされるのか?すでにやばい… 2つ目は、Qualitative Research Methods(質的研究)のコース。 新しい教官。教科書指定は一つ。質的研究のプロジェクトもちょうどやっているので、プロジェクトベースであってもやっていけるだろう。 3つ目は、マスターの最終プロジェクトを立ち上げるためのコース。 2つ目と同じくQualitative Research designについても学びながら、実際の最終プロジェクトメンターチームを作って、リサーチ企画書をまとめるのが趣旨。教科書指定は一つ。しかし2つ目のやつと内容が相当かぶることが予想されるのでまぁいいかも。 これはマスターのプログラム責任者が担当しているが、彼曰く、フレキシブルに進められるから3つ取ってもいいと言っていた。 最終プロジェクトは教育介入研究になる予定なので、大学の研究審査委員会の審査に最低3−4ヶ月、最悪6ヶ月は見ておく必要がある。 そうすると、春学期にこのコースを取って、企画書がまとまるのが、2017年4月末。そこから審査委員会の許可が下りるのがすでに2017年10月とかになってしまうので、フェローシップが終わる2018年6月末までに研究を終わらせるには、春学期に企画書を完成させなければいけない計算となる。 しかし春学期で3つ、審査待ちの間の夏学期に2つまとめてコースを取っておけば、1年目で全10コース中、7コース取り終えることができる。あとの3コースのうち1コース分はマスター最終プロジェクトに取り組んで仕上げるためのものなので、実質残りは1年間で2コースだけになるので、始めたプロジェクトを終わらせることに集中できるというわけだ。

医学部2年生向け臨床推論(ベンチトゥベッドサイド)の評価がきた

メールにて1ヶ月くらい前にやった2年生向け臨床推論セッションの評価がとても良かったと感謝のメールが来ていた。 何も具体的なフィードバックをもらっていないので、何が良かったのか全くわからないが、もしかすると、学生から添削したアセスメント・プランの内容も含めたトータルの評価をもらっているのかもしれない。 セッション自体の中身は以前書いたように自分の思ったようにはできなかったので、それだけでいい評価をもらっても正直役には立たない。 1週間後くらいに、担当した学生(8人分くらい)が書いたアセスメント・プランの評価も添削して返信したので、それも含めての評価ならまだ理解できるか。相当具体的につっこみまくったからなぁ。僕が学生でもちょっと驚くだろうなというくらいに。 来月からの大学院春学期では、Adult Learningのコースをとるので、学んだことを即実践していこうと思うのだった。 しかし、この臨床推論のセッションのコーディネーターはもっと具体的なコメントをつけて書く教員にフィードバックした方が良いかな。カリキュラムについて今学期学んだ知識に基づくと、カリキュラムをどう評価するか、どのデータを集めて、どのデータを誰と共有するのかについてはあらかじめ決めておくのだが、各教員に学生からのフィードバックをシェアするというのは含まれていないのだな、と察した。 まぁ今回の感謝状もタイムリーには送られていないので(もう忘れた…)、いいんだけど。

SGIM アメリカ総合内科学会年次総会の抄録レビュー

SGIMの年次総会の抄録のレビュアーのボランティアに申し込んだ。 カテゴリー別の一人当たりの抄録数が明記してあるのはありがたかった。 症例報告のカテゴリーは去年一人33本割り当てられたらしい…それはご遠慮願いたい。 今までやったカテゴリーはダメだということでInnovation in Clinical PracticeとInnovation in Medical Educationはアウト。もう3年目なのだと実感。 なので、第一希望をScientific Abstracts(臨床研究)、第2希望を症例報告としておいた。 ScientificAbstractsは去年一人あたり22本くらいだったらしい。 どっちになるかは年明けに分かるだろう。

論文原稿を書き続けるという試練

…年末も近づいてきたので溜まった愚痴を放出しておこう。 2016年に入ってからレジデンシー中にやった研究の論文化に取り組もうとしていたが、同時に①学会でのポスター発表X6くらい②フェローシップの先の見えない就職活動、やり取り、③ECFMGへのビザの書類、④ウィスコンシン州医師免許と麻薬使用者許可の取得⑤アパート賃貸の契約⑥米国内での引越し⑦レジデント向けにやったアンケート調査研究を終わらせる、など、とにかく原稿を書くことにまで手が回らず。7月にミルウォーキーに移ってから原稿作成を始めたが、8月下旬の専門医試験のため8月の2週間ほどは試験勉強に当てたため実際は8月下旬からようやく自分のやりたいことに集中できるようになった。 同時期に大学院が始まったので、時間がないことには変わりないが、それから3ヶ月半がたった今、5つの原稿をほぼ書き上げるに至ったので、自分の中では相当にすごいことをやっていると感じている。 悲しいかな、周囲の人は自分がどれだけのことをやっているのか把握していない。 今のボスも含め周囲の人たちは、自分がミルウォーキーにきて半年の間に、フェローシップ中にやる3つのプロジェクトを立ち上げ(1つは審査終了、2つは審査中)、大学院をやりながら、今のボスがやっているQualityImprovementのコースを受けながら、2つほど院内の大きなQI(再入院とせん妄予防)に首を突っ込んでいることくらいは知っている。 これだけでも驚かれているのだが、これだけなら正直ここまでストレスを感じたり時間に追われることはない。フェローシップ中は臨床の仕事が他のフルタイムの人の半分から6割くらいに抑えられているので、それだけの時間があるからだ。 自分がこの半年で最も苦しんでいるのは、今の職場でやっていることに加えて、上記の5本程度の論文原稿を書いた過程にある。 まず、自分が書くー>共同研究者に原稿を送るー>2週間以内にレビューしてくれなければメールで催促ー>もう一回くらい同じことをするー>1−2ヶ月くらいしてやっと返事が来るー>この時点で自分が書いたことや引用した論文の内容の記憶はほぼ薄れているー>訂正に目を通して原稿アップデートー>共同研究者に原稿を送って同じ過程の繰り返し。 日本人の共同研究者はよろしい。自分が急いでいることを伝えると、忙しい中(

ACPAとABQAURPとHCQMと

今日までこの略語を聞いてもなんのこっちゃと聞き流していただろうが、今後はこれらの単語を聞いたら一応反応するようになるだろう。 ACPAはAmerican College of Physician Advisorsの略。ACP(American College of Physician)によく似ているが全く違う団体・学会。今回一緒に働いたPhysician Advisorsの人が入っている。 ABQAURPは略語からして長すぎるが、上記の人たちに関連する専門医を提供するボードと呼ばれる機関:American Board of Quality Assurance and Utilization Review Physiciansの略。日本では学会が専門医を管轄していることが多いが(来年からの新専門医制度で変わるのだろうけど)、米国では各種ボード(Board)というところがBoard Certificationという名前で専門医を認定する。 そしてHCQMはBoard Certificationの名前。Health Care Quality&Managementの略で、医師に限らず、看護師、その他医療職種で資格を満たしていれば取れるが、その中でSubspecialty的なサブカテゴリーがあり、医師はPhysician AdvisorのSubcategoryが取れる。 お金と時間に余裕があればぜひ入会して勉強したいが、フェローシップ中は余裕がないので難しそう。内容は保険の仕組みなどもカバーされるのでそこらへん(というかPhysician Advisor全般)は全く持って興味ないが、カルテ記載の改善(Clinical Documentation Improvement)、患者安全(Patient Safety)、医療の質保証(Quality Assurance)、医師のパフォーマンス管理(Physician Profile)あたりは興味だけは人一倍あるので、せめてそこらへんのオンラインモジュールくらいは早めにやっておきたい。 専門資格(Board)については年間何十時間かはPhysician Advisor的な仕事をやった証明がないと資格がおりない。アドバイザーはカルテに記録されていることだけで「このひと入院する必要ないやん」と診療に当た

寒すぎる

気温が摂氏マイナス15度から20度が続いている。雪は1日一気に降ったきり降っていないが、寒すぎて車通勤が苦痛だ。道路は除雪されていて、雪は全くないので運転自体は大丈夫。

Physician Advisorという仕事

NYの病院では、ホスピタリストをやりながらアドバイザーらしき仕事をしている指導医がいたが、今の病院では、アドバイザー専門で勤務している内科医がいる。昨年辺りにこの分野の専門医も設置されたそうなので、今後は需要が増えていくのだろう…2日ほど一緒に働かせてもらう機会を得たが、まぁ多様な働き方があっていいなぁという感想を持ったのでメモ。 (病院によって異なるかもしれないが)アドバイザーの仕事のメインは、毎日大量に入院してくる患者の「入院(Inpatient)」と「観察(Observation)」の適切さを判断すること。 この病院では、CaseManagementの部署内に数人のケースマネージャー(看護師:RN)と一人のアドバイザー(医師:MD)からなるチームがあり、ケースマネージャーたちは、病棟ごとに割り当てを決めて、全ての入院してくる患者のスクリーニングを一日22時間、週七日体制でやっているらしい。 この「入院」と「観察」の違いは米国特有のシステムだろう。 日本では入院によって発生した医療費は、(患者負担以外の分は)病院側は保険会社に請求書を送って、保険会社から残りを支払ってもらうわけだが、金額は(限定された)診断名によって一定に設定されている。患者が長く入院しようがしまいが、保険会社から支払われる額は基本一定額にすることで、病院側に入院期間を短くさせるなり、無駄な検査をしないなり、医療費を無駄にしないような力が働くようにしている。 ただ日本のシステムは(自分が米国にいる間に変わっていなければ)まだ限定的な適用にとどまっており(確か全ての疾患に対応しているわけではない)、他にも胃カメラなどの手技に関してはやったらやっただけお金を請求できるようになっていることなどは、Fee For Serviceと言って、提供したサービスに応じてお金をもらえるシステムのままである。 米国ではそのような古い医療費支払いシステムは急速に廃れており、入院医療費は診断名ごとに値段設定されているのは当たり前、その中でも並存する急性疾患や基礎疾患などで予想される平均入院日数まで設定されており、その長さに応じた金額を保険会社から支払われることになっている。 話はここでは終わらない。 近年ICD−9と言う診断名のリストが新しくICD-10にアップデートされたが、診断の分類

SHM アメリカホスピタリスト学会の抄録レビュー終了

朝9時前から、割り当てられたリサーチカテゴリーの26本の抄録のレビュー・採点を行なった。 娘に邪魔されながら 娘と遊びながら 3度ほどベランダ(パティオ?)と外で大雪の中遊びながら 夕方6時には26本全て評価を終えた。 最近の日記で述べたように評価基準がとても曖昧なので逆に1本あたりに時間はかからなかった。 よく覚えていないが、2年前くらいから総合内科学会抄録のレビューのボランティアをするようになったんだったろうか?それとも1年前からか? とにかく今回が計3−4回目のボランティア、そしてホスピタリスト学会は初めてレビュー 10段階の評価で、5を大体普通として、テーマや結果が重要なものであれば評価が上がるし、テーマが全く関係なければ容赦なく下げる(関係なければ評価が下がるのはやむなしと電話会議で聞いていた)。研究方法や結果の書き方、解釈で問題があればその分減点するというような感じで自分はつけた。 あと2人からの評価と合わせて判断するのだからまぁいいでしょう …評価基準は小項目に分けるなりしてフェアにするべきだと思う。総合内科学会の方がそこは随分まし。 そして感想: 質にばらつきありすぎ 以下愚痴(批評) 1 本当の意味でちゃんとした研究やQIのデザイン、解析の方法でやっている論文化できるようなものは少ない。7点以上つけたものは論文化の可能性がありそうな感じだったが、26中12本くらい。まぁ所詮抄録に書かれているだけの情報で判断しているためなんとも言えない。肉付けすれば論文化できる研究などは低い点数に埋もれているだろうし。 2 質がひどいものも多い。自分が研修医の時院内のリサーチ発表会に出した(それでも恥ずかしいものだった)ようなものをだす人もいる。これはSHMは無料で提出可能なのでもはや仕方ない。 3 リサーチカテゴリーの中のサブカテゴリーの重複が激しい。医学教育やコミュニケーションのサブカテゴリーは数自体が少なく、困ることはなかったが、QualityImprovementと他のサブカテゴリーの重複は本当に厄介。Hospital Medicineだけあって、使ったデータはQIから来ているんだけど、やったことはOutcomeResearchにし

一晩にして雪景色

札幌にいた時は運転する必要なかったから良かったが、ここでは困る。

マスター秋学期終了のお知らせ

土曜の勤務後、必死こいて10時までに統計のオンライン試験X2(2時間X2種類)とカリキュラムの宿題であるクラスメートの課題へのフィードバックを終わらせなければならないと覚悟していたが、まさかの午後1時には全て終わるという快挙。 統計の試験その1を仕事前に終わらせ、仕事に来てから入院が来ないという幸運も手伝って、2つ目の試験を12時までにクリア。 そして、病棟からのコールが思ったよりも少なく(1時間に4件は相当少ない。通常10件を軽く超える)、12−13時の間にフィードバックも丁寧に終わらせられた。 晴れて秋学期終了。これから1ヶ月間は冬学期開始まで、溜まりに溜まった仕事を片付けなければならない。持ち越すとさすがに辛いので、結局死に物狂いで稼働し続けることになりそうだ。

マスター秋学期発表会〜統計編

昼の二つのミーティングを終え帰宅後、統計のプレゼンに望んだ。 今回は何度も日時を確認したので、二日前の悲劇はもう起きないだろう。 昨夜のうちにスライドも作ってしまっていた。 SampleSizeCalculationについて実践的な内容をプレゼンした。 本当は理論的なところも一部入れようとしたが(Margin of errorの式から導くやら)、自分が理解できる範囲のことを説明したところで実践で応用できないと判断した。 プレゼンで紹介したのはG*PowerとPSというフリーでダウンロードできるソフト。 G*Powerは相当な数の統計デザインがある上にユーザーフレンドリーで、何の情報を入れるのか一目瞭然なのが良い。 PSは同じくユーザーフレンドリーだが、例えばtwo independent sample t testを選択した時に、equal varianceかunequal varianceかどちらを想定しているのかまでは聞かれない、など痒いところにまで手が届いておらず、果たしてPSでやったSample計算が本当に正しいのか不安になってしまう。あとは搭載されている統計デザインが少なすぎる。強みは計算と同時にSampleSize計算を論理立てて説明してくれているDescriptionも一緒に出してくれるので、もしPSを使った場合は研究立案書にコピペで簡単にSampleSizeの描写が終わる。 まぁ個人的には使わないけど。 あとは、1:研究デザインと使う変数の種類と数と分布、2:P値とPower(通常.05と80)、3:EffectSize(見つけようとしている差)とVariance(標準偏差StandardDeviationが代表)が決まれば大体のサンプル数は統計学者でなくとも計算できる。 本当はもっと複雑な計算が必要だったりするので、統計の人と毎回相談するようにしている。こないだもTime-SeriesAnalysisの時は計算がもっと複雑になったり、Regressionでいくつの変数が入るのかなども考慮することもできたり、奥が深すぎてマスターしたとは言い難いが、数なくとも一般的に使う統計の範囲であれば一通り自分でできそうだ。 発表は無事終了。あとは今晩から明日朝のうちに統計のオンライン試験x2を終わらせて、明日の日勤後、

またも発表:SADミーティング

シェアド・アカデミック・デベロップメントでSADとなるらしいが、いまいちなネーミングの月ごとのミーティングがあった。 ホスピタリスト課(セクションって日本語だとどうなるのか知らない)で、リサーチのアイデアや助言をもらう場らしい。 自分はこれまで2ヶ月連続で発表したが、他の発表者は皆無に等しい。 当日朝まで何も連絡がこなかったので、このままブッチしようと思っていた。大学院の最終週で忙しかったし。 ところが朝9時になって、課長からページにて「SADで発表しようとしているのかい?」と連絡あり。仕方なく、30分でパワポスライドを作って昼から発表した。 前回同様参加者は、課長、書記係の事務員、自分、もう一人指導医のみであった。 何事もなく有益な時間を過ごすことができたが、他の医師の貢献度の低さは眼に余るのであった。いっぱいいすぎても深い議論ができなくなるから個人的には良いんだけどね。 夜7時からは、大学院秋学期最終プレゼンその2〜統計編、が待っているんだけどね。そして明日は日勤の仕事の上に、統計のオンライン試験の最終締切日。 オンライン試験は睡眠時間を削ってでも週の初めにやるべきだったと猛省。

マスター秋学期発表会〜カリキュラム編

今日の夕方から、ウェブミーティングで各自のカリキュラムプロジェクトの最終発表があった。 パワーポイントスライドかPDF1枚にまとめを作って送るように言われていた。 てっきり9日だと勘違いしており、今日の昼になって準備を始めたところ、夕方には発表を割り当てられていることに気づいた。 必死こいて提出したが、時間がなかったので、PDF1枚にまとめたものを提出した。 もう時間もない、焦っている中で、頭の中に流れが全く入って来ず、これは失敗するな、という確信めいた予感があった。 予感は見事的中した。 しどろもどろにプレゼンをして、もう聴衆がどんな感想を持ったのか、そもそも伝わったのかどうかもわからない状況だった。 せめてパワーポイントで作っていればプレゼンもしやすかったろうと反省したが PDFファイルだけでプレゼンが上手くできなかったことに相当ショックを受けた。 院内でのリサーチのプレゼンなどは、原稿など作らずともストレスなくプレゼンできていたからこそ、今回のは自分でも驚くほど出来が悪かった。 振り返っても、そもそも流れが頭の中にクリアになっていなかった時点でアウトなので、準備をちゃんとするという反省点しか思いつかない。 それも納得がいかない。言語の面で不自由がなければここまでひどくもならなかったはずなので、結局は英語の能力不足もこういう時により足を引っ張ってしまうのは残念だった。

フェローシップマッチデイ

12月7日が今年のフェローシップマッチの一斉発表だったらしい。 ホスピタリストフェローシップやプライマリケアフェローシップは専門医がなくマッチングシステムとは関係がないので、去年は自分には関係なかったが、一軒一軒申し込むよりははるかに申し込む側の負担は少ないと思われる。 一軒一軒申し込む際は、プログラム毎に、応募要項が代わり、推薦状の宛先を変えて個別に送付してもらう必要がある。プログラムの内容も統一されておらず強みが違うので、志望動機書をプログラム毎に微妙に修正したりもした。 これは相当な余計な労力と時間と、推薦状を書いてくれた人に少なからず余計な時間と手間を掛けさせるので我慢強くやらねばいけない。 あと半年もすれば今度は次のポジション探しも始めなければいけないが、次も職探しは大変な苦労を伴いそうだ。とりあえずはあと半年は突っ走るほかない。

アメリカホスピタリスト学会の抄録レビュー

SHMという学会のリサーチポスターのレビュアーをやるか応募があったので、応募しておいた。 SGIM(総合内科学会)のレビューはすでに2回やったので、同じような感じであればやりやすいのだが。 SHMは初めてのボランティアなので、どうなることやら。どれだけ大変かは基本配分される抄録の数で決まるので、一体何十個渡されるのか心配だ。 これをやる長所は、他の人たちがどんな研究をやっているのかが把握できる、どんな抄録の書き方がいいのか分かる(すごくいい抄録をみる機会があるので、下手な抄録は逆にすぐに分かる)、割と少ない時間で履歴書の足しにもなる、一度やるとまた次の機会につながる、くらいのものだが、今後も応募が届く限り続けていこう。 そういえばホスピタリスト学会に一つ抄録出したけれど、通ったとしても自分は恐らくいけない。今回はラスベガスなのに。絶対ニューヨークからもいっぱい知り合いが来るだろうに。残念。 割り当てられた抄録にアクセスできるようになった。合計25本。1本20分かかるとして、8時間以上かかる。1本15分で6時間ちょい。 さらにレビュアー向け説明会の電話ミーティングに参加。あんまり役に立たない話ばかりしていた。各抄録に9段階評価をつけるのだが、レビュアーがリサーチのオリジナリティ、重要性などを評価して、(主観的に)最も良いものは9、口頭発表にしたいものは7−8、ポスター発表で良いのは5−6、微妙だけどスペースがあるなら合格でも良いなら4、いまいち2−3、拒否すべきなものを1、みたいな評価方法だった。 主観かつ相対評価になるリスクが高い方法だと単純に思った。総合内科学会の方がまだフェアーだと思ったが。総合内科学会は、総合評価は、重要性、方法論、結果の妥当性、ライティングなど(覚えていない…適当)4つくらいに分けた小項目の合計で決まり、レビュアーの主観は、別に設けられた「合格・不合格」で書かせるようになっていた。 とりあえず話を聞いて、自分が出した抄録は関係なくはないが、SHMには適していないSGIM向きの内容なので、これは終わったなと思った。いくら研究の質が良かったとしても、レビュアーがあんまりSHM向きでないなと思われた瞬間に低い点数がつくというシステムだからだ。 SHMは一つの抄録を3人のレビュアーが審査するが、3人にレビューされ

ファイナルファンタジー15

ゲームは高校生まででやめてしまったので、かれこれ15年近くRPGゲームをやっていないが、最近FF15が出たらしく、Youtube界を賑わせている。 元ゲーオタとしては、そのグラフィックの美しさを見ると、どうしてもやりたくなった。 そこで、Youtubeでストーリーがわかるようにムービーやイベントだけをうまく繋いでくれている動画を一気に見た。 やはりクリスタルが物語のキーになっているのは今も昔も変わらず、1国の王子が主人公となり、国どころか星に平和を取り戻すというお話だった。 移動や戦闘時のアクションも全てが15年前(FF8、9あたり)とは進化を遂げて来てすごかった。 途中、重要人物が無くなったり、ラストの悲しい場面など、物語としてもまずまず作り込んであったので、映画を見るような感じで観れた。 グラフィックもストーリーも磨きがかかっているので、今後はこんな感じでRPGを楽しむのもありかと思った。 ただ今後はバーチャルリアリティにゲーム界はシフトするだろうから、VRで大作が出るようになったら、やっぱ自分でやったほうが面白いかな。もしFFの世界がVRで目の前に広がるのであれば絶対自分で体験したい。

フェローシップ候補者インタビュー

この日記はただただ個人的な、身近に起こったことや感想と愚痴を書き留めているだけだからだろうか、以前起こった出来事を日記に書いたのか書いていないのか全く区別できていない。 今日はフェローシップ候補者のインタビューがあったので、現フェローの自分はこれまで通りランチに連れて行く役目だった。 前回は2ヶ月ほど前に、ミズーリあたりから3年目のレジデントの先生が来てくれて、病院最寄りにあるイタリアンに行った。今回も当然のごとく同じところに予約が取られていた。 このレストランだいぶいい感じの雰囲気で、味もよく量も多く満足度の高いお店。 この日も平日にもかかわらず多くの白人たちで賑わっていた(…危険な発言)。ここミルウォーキーはニューヨークとは全く人種構成が違い、ヒスパニックすらマイノリティ、アジア人は存在感すらない。なぜアメリカでこれだけ人種差別、特に白人か黒人かだけで差別がここまで騒がれているのかよくわかる。昔のアメリカはどこの州もこんな感じの構成だったのだろう。 病院は特別なところで、インド系やアフリカ系の移民など働いているので、自分にとっては唯一アメリカが人種のるつぼであることを思い出させてくれる場所だ。 話を戻して、今回も同じお店に行ってたわいもない話から自分のフェローシップの経験などなど1時間話して病院に戻った。 今回の候補者は、ここの大学病院の2年目のレジデントのため、採用は再来年。つまり自分がフェローを終わるときに入れ替わりで入るのだが、とりあえず、現フェローの役目として、病院内での認知度もあげ、レジデント教育への貢献をするため、これから彼にもプロジェクトに参加してもらうこととなった。 そういえば、彼は日本からの看護実習生を見たことがあると言っていたので、今後少し探りを入れようと思った。看護実習ができるなら、同じレベルの医師の実習もできるはずだろう。

リサーチメンターしたいの?されたいの?

ディレクターから、リサーチを手伝ってくれるコラボレーターが欲しいか?と聞かれたので、欲しいよ、と返しておいた。 この意味は「他の指導医リサーチまともにやってないからリサーチに混ぜてあげるのは歓迎だよ」という上から目線の意味なのだが。ディレクターの意図=手伝ってほしいかどうかとは異なるだろう。 とにかく、最近ホスピタリストや総合内科医といった科内の指導医と連絡を取るようになったのだが、正直めんどくさい。准教授クラス(Associate Professor)になるとさすがに自分より研究のデザインと大学のリソース情報に強い印象はあるが、統計の知識については准教授クラスでも大したことないなと思うことも多い。今のProfessorは教育やリーダーシップ方面で出世した人が多く、必ずしも研究に秀でているわけではない。それ以下のクラスは正直研究に関しては経験がなさすぎるか興味がなさすぎるか。どちらにしろ努力が足りない。 もちろんコラボしていいといって来る人たちは全員助教授(Assistant Professor)である。NYの時もそうだったが、これからどんな余計な苦労がまっているか心労は尽きない。 今日の勤務中も、研究を頑張っている助教授の人から彼女のリサーチに参加したいか聞かれたが、正直興味は出なかった。つくづく思うのは、結果が出なさそうなものには興味でない。しかも具体的な研究の中身がまだ頭にないのに参加するかなんて、よく聞けたもんだ。とりあえず参加するかどうかもわからないから、次の研究グループのミーティングの時声かけてくれとだけ頼んでおいた。 そして仕事が終わった今も、もう一人の指導医が声をかけてくれたリサーチの論文原稿の大幅な訂正を丸投げされたのをさっさと終わらせたのだった。この人に関してはいい話しか持ってこないので別にいいのだが、自分が責任著者なんだから普通自分でやれよ? あえて自分でNYの時の状況を作り出そうとしているわけだが、NYの時の反省をどれだけ活かせるか、楽しみでもある。

リサーチファンドは嘘だった?久々にキレた話。

1週間ほど前の話だが、久しぶりにキレた。 原因は科の事務方。お金の動きを管理しているやつだ。 前々から事務方全般、気の利かないイケてない人が多いのは指摘して来た。 今回は度を越していた。 元々、インタビューに来た時から「Professional Developmentに年間2000ドル」「リサーチ目的で5000ドル」予算がある。とはっきり言われて来た。 よりアカデミックな大学になるほど、結果を出せる確率は上がるが、自分のやりたいことをやれるとは限らない印象を受けた。それでアカデミックさでは劣るが大学でお金も使えて自由に研究ができる環境が素敵なミルウォーキーに惹かれた。 半年経った今、その事務員に突然リサーチ向け予算を否定された。 2ヶ月ほどかけて準備して来たリサーチの提案書がまとまり、研究審査委員会から予算がちゃんと降りるか確認するように言われたので、その事務員に何気なくメールを送ったことが発端だった。 「どこからその予算は来るんだ?」 と呼び出された上に、100%そんな予算はないと断言された。 初めは予算を使わずにできる範囲の案を立てていたのを、プログラムディレクターから、予算がせっかくあるんだから、それを使って規模を大きくしようと提案があり、それで時間をかけて案を作り直し、作り上げて来たのだった。 それを突然、ひっくり返して来たので、さすがに数十時間という時間と労力と、1年近く嘘を言われて来たかと思うと、さすがにキレた。 リサーチのりの字も理解しない事務員が予算なくてもこんな研究できるなどと言ってのけた。こっちはグッと我慢して、まずディレクターに確認してからじゃないと話が進まないよね、とだけ返していたが、何故か向こうは100%ありえない、と何度も言い切る始末。 さすがにその態度もあり得なかったので、インタビューの時から聞いてたのに今更ないというのはあまりにひどい、こんなところじゃまともな研究もできないね(本音)と捨て台詞くらいはいっておいた。相当キレていたが、トーンは押さえておいた。 その後、ディレクターがその事務員と話した限りでは、とりあえず2000+5000ドルは出ないかもしれないが、計5000は使える。予算も研究のために降りるだろうとかなんとか。 どのみち予算の話が間違えていたことに変わりはないの

身体診察ラウンドその2 撃沈

3年生向け身体診察ラウンドを担当した。今回が2回目だ。 前回はもはや3ヶ月以上前だったような。よくわからず病棟に行って学生数人と何かしらの所見がある入院患者を2人ほど見た覚えがある。 今回はせめて4人くらいは見たいと思っていた。 午後2時半、集合場所の病棟へ。 学生が一人歩いてきたので声をかけるとラウンドの参加者らしい。 他の学生はおらず。計4人は来るらしかったが、5分経ってもこない。 📟で呼び出してもらったものの、コールバックしてきたのは一人だけ。しかも来れないらしい。 結局もう一人だけ学生が来たので、すぐに学生の受け持っている患者の中から3人をリストアップして部屋へ向かった。 一人目。肝不全があるらしかったが、お腹を軽く押しただけで吐き気を催したため途中で中断。教育のためのラウンドのため、患者には一切メリットがない。これ以上は無理そうなのでささっと引き上げる。 二人目。重度の大動脈弁狭窄があるとのことで部屋へ行くと、循環器の指導医がちょうど診察中で、しっかりと心雑音についてレクチャーをしてくれた。自分の出番はなし。 結構年配の先生だったがさすがに循環器医と言わんばかりの素晴らしいティーチングだった。あのレベルではできないなぁ。 最後に、心不全のおばあさんを診察したが、もう退院直前で良くなっていたので、派手な所見はなし。 患者選択により当たり外れが多すぎるのがどうしようもなく難点な上に、患者が決められていないので、こっちも準備が全くできない。 いくらでも改善の余地があると思うのだが… ここへ来てもう半年が経つのでなんとなく弱点も見えて来た気がする。アイデア倒れのカリキュラムや中途半端な研究も見られる。色々と取り組んでいるのはいいことなのだが。リサーチマインドやアウトアムを本気で見ようとする人や、見る力のある人がいないのかしら。 まぁ人のことは言えないが。