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1月, 2017の投稿を表示しています

成人学習理論メモ(2)

今週の成人学習のコースは、MarriamさんのLearning in adulthoodの第4章がメイン。 KnowlesのAndragogy(アンドラゴジー)、すなわち成人学習論的なものは、これまで受けてきた教育関係のコースの全てで触れられてきた。もはやテッパンゆえに割愛。 新たな発見は、Knowlesの提唱した成人学習者の特徴に関するAssumptionsは批判に晒されてきたこと。確かに成人学習をたった4(ー6)個の特徴だけでわかった気になるのはおこがましいか。 それでも成人を教育するときのGuideとしては優秀なものなので、今でもAndragogyはどこかしこで使われている。 Rachalさんが提唱した今後の研究デザインに関する7つのスタンダード:自発的な参加、はっきり大人であること(つまり成人していても専ら大学に通うような学生を含めるなという意味)、到達目標を一緒に決める、評価はパフォーマンスによる、学習経験の満足度を測定すること、成人学習環境がIn Placeされていること、研究方法をしっかりする。 他に3つの理論を紹介している。これで全てではないが。 McClusky's Theory of Margin 使い道 実臨床でのティーチングでは与えるLoadの量を見定める時に有用な理論 同じ学習者をメンターしフォローできる時はLoadの量を調節できる クラスメートの素晴らしい意見:「貧困層の人たちは、ちゃんと教育を受ければ、貧困層から抜け出せるのに」という考えはその人たちにとって酷な話。貧困により、生活は保障されず、助けも借りれず、劣悪な環境で暮らしているだけでLoadが貧困でない人よりはるかに大きい。Marginがすでにカツカツなので、教育を受ければいいだけいうのはMcClusky理論から言うと間違い。Powerを増やすかLoadを減らしてあげるところもやってあげないと無理よねって言う話。 成人時代は変化の時であって、常に大人は使うエナジー量(Load)と持っているエナジー量(Power)のバランスをとる。 Load to Powerの割合がMargin in lifeであり(別に引き算でもいい気がするが)、この余ったMarginを学習に当てると言ったところ。 LoadもPowerもInternal内

Patient Wisdomの話

ホスピタリスト課の全体ミーティングに出たところ、 前からリサーチミーティングで話題に上がっていたPatient Wisdomの創立者が登場。 イエールが最も早くからこれを取り入れて共同研究しているっぽい。 この病院が2番手くらい。すでに試験運用しており、3月頃には普通に稼動できるらしい。 3−4番手に、天下のハーバード・マスジェネナル(MGH)とアイオワ大学病院。 すぐ追い抜かれそうやな。 患者さんの目線に立った医療を、ということらしい。 PatientWisdomは、ウェブサイトになっていて、患者さんが自分のアカウントを持ち、そこに自分で(もしくは家族が)、自分にとって自分の健康について何が重要かなどを打ち込んでいく。 普段医療者が聞かないようなことが質問されており、一例として、外来の先生で13年間かかりつけとしてフォローしていた患者が、「ファーストネームで呼ばないでほしい」と書いていて驚愕したというエピソードが紹介されていた。 医療者と患者関係で最も大事なコミュニケーションと人間関係の改善の助けになってほしいらしい。 完全稼動すると、電カルを開いた時に、サマリーページが簡単に見れるようになるとのことだ。 忙しい外来や病棟業務において、患者の人として持っている価値(Value)がどこにあるのかをタイムリーに教えてくれる可能性を秘めるものだ。 今は患者満足度評価は、退院後に匿名でしか評価されず、基本医者や病院のパフォーマンス評価としてしか用いられていないのを考えると、相当なポテンシャルがあるように感じた。

一時帰国したいが難しい?

休暇を今の今まで取っていなかったので、年4週間ある休みを一気にとるためにはどうしても春学期と夏学期の間を狙うしかない。 ビザの更新が必要になるが、プログラムが変わった上にStandardからNonStandard ProgramのJビザに変わったので、大使館での面接をしたほうが安全そう。 郵送での申請も可能だが、プログラムが変わったりした時は呼び出される可能性がある。 しかしビザ更新のためには新しいDS2019(滞在許可証)が必要になり、それが届くのはおそらく2月末とか3月中。そこから大使館の予約。結構予約取るのは大変だった覚えがあるので気が気でない。 一応ボスに、来年の契約更新はいつ決まるのか?聞いてみたが、あぁつい先日YESって言っといたよとのこと。あとはすんなり手続きが行ってくれればいいのだが。

人の研究に引き入れられる

のはいいことなのかもしれないが。はたまた暇だと思われているのか。押し付けられている感も半端ない。 もう少しで研究審査委員会の許可期限のすぎる研究について話し合おうと言われ、話を聞くと、2年前くらいに始めたが、カルテレビューが進まず中断してしまっていたらしい。 とても単純な後ろ向き研究なので、完全に自分のせい。患者のリストはあるしデータもある程度簡単そう。 カルテレビューだけしてよ的な感じだったのでお断りした。 カルテレビューしようとしているものの多くは電子カルテからData analystが自動で抜き出せるものばかりだった。 Sample sizeもまともに計算していないし驚き。 全部Analystにやってもらおうと提案だけしといたが、また今後も話し合っていくことになった。

NVivoが欲しい

春学期が始まって早3週目。本当に時間が経つのが異常なくらい早い。 これから始まる怒涛のインタビューの質的解析に備えてNVivoという質的解析のソフトを買いたいのだが、年間に自分の教育のために使えるお金で買えないものか。 内科からの返事を待つ間は、トライアル版でも使っておこう。 みんな高い高い言うけど、Single Licenseだけなら1200ドルもしないようだけれど。 フェローにとってはすごく高い買い物だが他の同僚たちは余裕で買えるだろうに。

医学部3年生のHandP添削

雑な扱いを受けていると感じることは多々多々あるが、今回もその一例。 自分のプログラムディレクターが学生教育の方に役職を持って関わっているので、親切にも仕事をオファーしてくれたりする。自分も大学院でブラックボードというプラットフォームを中心にほぼ全てのコミュニケーションが行われているが、ここの医学生もにたような目的のサイトがあり、課題の提出、フィードバック、情報交換、スケジュール管理などやっているようだ。 その流れで入院ノート(History and Physical)を添削する係りの一人に自動的に入れられたようで、5人くらいのノートを割り当てられたが、他の情報は一切なし。そのプラットフォームにどこからアクセスして、どこにノートがあるのかすら知らされなかった。 メールしても解決せず。仕方なく締め切りが迫ったか終わったかあたりで、自分でITヘルプデスクに電話してアカウントを作って、さらに他の事務員に学生のコースへのアクセスを認可してもらってと。。。これは絶対に自分の仕事じゃないやろ。。。とまたまた事務方のテキトーさに困らされた。 しかし教員にとっても全てオンラインなのは便利なものだ。提出されたものを見ながら、コメントを打ち込む欄が別にあり、さらに、得点の付け方、基準(RUBRIC)も全て同じ画面でできる。

QIコース1月分

午後ずっとQIコース。 電カルの変更に時間がかかるので一つの病棟だけに絞って薬剤師と小さなことから始めたらどうかと言われたが、うーん、薬剤師の手を煩わせるのはアウトカムデータを取り始めて電カルの変更した後がベストだと思うので、かなり気が進まない。周りは簡単そうに言うけど(やるのは簡単かもしれないが)意味が薄すぎる。よほど薬剤師が乗り気で無い限り。そして一日24時間で足りない状況なのに意味がないことはやりたくない。流れに身を任せるほかない。 子供病院でQIをメインにやっている先生がレクチャーしてくれだが、優秀なプレゼンだった。 Variationの話。予測されるVariationと予期しないVariationの区別。予期しない方が問題。 データの話。Pとかいくつかアルファベットのついた名前が出たがメモせず。概念はわかりやすいので覚える必要は感じなかったが。 スライドもらえるか聞いてみよう。

成人学習コース

今学期の成人学習コースは今の所唯一のオアシス。春学期と同じ先生のコースだけあってどんなExpectationかがわかりやすい。テキストは二つとあるものの、他のコースに比べれば薄い薄い。 今週は、Basic Brain Factsということで、なんと脳解剖と生理学の復習っぽい内容だった。 色々とどこかで聞く内容が多いので、サクサク。 脳はマルチタスクするようにはできていないらしい。脅威に瞬時に注意を向けないと生存できないから、脳は一つのことしか集中してできない。マルチタスクというのはタスクの切り替えやタスクを行ったり来たりすること出会って、同時に何かを脳が処理できているわけではないらしい。 そして一度でも注意をスイッチすると、元のタスクに戻った時にメモリーが残ってないらしい。確かに、宿題をやる時や論文を書くときなど、集中して考える必要がある時は何時間かかろうが、一気に終わらせるのがコツだとは思う。 現代人は、様々な情報に常にさらされているので、逆に一つのことに集中する能力がつかないようだ。確かにスマホ依存になったのはアメリカ来てからだったから、以前に比べると集中しづらいかも? 物事を学ぶのにはウインドウ ピリオドがあって、その間に全く身につけたものはマスターできるが、その後ではトレーニングはできてもマスターは難しいらしい。感情のコントロールは2歳半まで。言語は12歳くらいまで。じゃぁもう見込みなしだな、と自虐。 脳の辺縁系が感情と記憶を司っているため、記憶と感情は切っても切れない。何かを思い出す時に感情まで思い出してしまう。なんかの歌詞みたい? 大脳、特に前頭葉が理性のコントロールをするが、辺縁系の後で発達した部分なので、特に小さい時は発達が未熟。ここを2歳半までに教育してあげないと、感情が暴走した時にコントロールができない(つまり切れる中学生か?)、シャイな子が社会的な交流が難しいままに育つ(シャイさは遺伝的な要因が強いらしい)と言った結果になる。

医学教育研究コース マスタープロジェクトで早速やらかした。

今学期のマスターは3つのコースを取っているが、質的研究コースのボリュームが異様に多い。 今のところ読書量も宿題も全てが重い。コース二つぶんくらいの負担に感じる。 1週目の出だしが相当に悪かったのもあって、1週目にして3つ目のコース:マスター最終プロジェクトを企画するための医学教育研究コースの自己紹介の締め切りをブッチしてしまった。あぁ自己紹介に5点も割り振るなんてそんなぁ。 医学教育研究コースも異様に読む量が多い。2週間で4章文読めって、正気ですか? コースを一つしか取っていないなら動じないんですが。さすがに3つのコースを合計すると、1週間あたりテキスト4−5章分は読んでいるような。 質的研究はえぐい。過大な読書量の上に毎週なぜか課題が3つ。3つあるだけならいいが、3つともがっつり作文させるって。一つでいいのに。 明日は月一のQIのコースの日。提出する宿題については終わっているが、読書は終わっていない。毎晩眠れまてん!するのはえぐすぎる。

マクドナルド(仮名)の本性?

提出した抄録がホスピタリスト学会に通ったので、著者の一人であるマクドナルドさんにメールしておいた。 ここから悲劇は始まった。 先月色々とあったのでさすがにそっけない返事だったが、まぁ一応返事が来ているので良しとしよう。 しかし、ありえない一言が添えてあった。 「去年発表したポスターを使い回すのかな?」 どう解釈したら良いか困ってしまった。彼の言っている内容のことではない。なぜこんな発言をするに至るかの解釈だ。 発言の意味は、去年すでに発表した研究を今回出したのだよね?だからポスターは使い回すのかな?と言う文脈で間違いなかった。 解釈1 忙しい、疲れている、よくよくメールを見ずに返事をして勘違いしているだけ 解釈2 この1−2ヶ月の間に健康上、精神衛生上の変化があって、別人になった。 解釈3 まさか研究のメンターをやっておきながら、全く研究の意図を理解していなかったか、その程度でしかメンターしてくれていなかった 解釈4 そもそも彼のおつむがよろしくなかったのを、たまたま今回自分が気づいただけ。この異常発言が彼の通常 彼も抄録にも目を通しているので解釈1すら本当はありえないのだが。 思い返せば確かに彼のフィードバックはおかしかった。最後まで現在形か現在進行形で書くかだけにこだわっていたし、統計の説明があっているのに間違っていると指摘して来て、逆にレクチャーしてあげた。しかも彼をたてるために、あえてORをANDに変えた。ANDでは間違いだと気づいていながら。 さて「これは新しくやった研究だから今回が初めてポスター作成になりますよ」とやんわり返事をして、彼の反応を待った。 マ「そんなはずはない。去年総合内科学会で発表しただろう。これがその時のポスターのデータだ」と、自分が彼に去年の3月に送った古い研究のポスターが添付してあった。 まだ信じたかった。絶望的ではあったが。 「これは一個前のアンケート調査で、今回のはそのあとにやった別のアンケート調査。データの種類からして質的と量的で全く違う。先月新しい方の論文も書いて目を通してくれたじゃないか(思い出して)」 と情報を足して返事をしたところ 「発表した学会は?総合内科学会だけはないよな?ホスピタリスト学会と大学のリサーチ発表会と、地方会はどうした?」 と

QIに対する疑問への病院の回答

以前、QIと研究の区別が曖昧な状態であることを指摘した。 つい先日、ホスピタリスト課のボスから驚くべき報告があった。 病院にQI審査機関ができた。(というか前からあったのを改善した) まずはアイデアをそこに提出。 科の担当の責任者が、QIかリサーチかの判断をする。 リサーチに該当する項目が一つでもあれば大学のIRB研究審査に渡す。 QIと判断した場合は、自動的にIRBからの手紙とともに承認が降りるらしい。 というか窓口も審査する人も内科はボス自身だ。 QI決定の判断がゆるくなりそうな気もするが、まぁフォーマルな手続きがより簡易に早くできるようになったようなのは良いことなのだろう。

質的研究(2)続き 観察の注意点

Subordination:観察は常にプロセスの一部である。観察だけでリサーチが終わることはなかなかない。観察するときに観察に徹するのか、Interactionに参加するかなどの違いがある。 Selection issue: どこでいつだれを選ぶか。だれを選ぶかにはいくつかアプローチあり。 1:Personal characteristic strategy:個人の特徴で決める。とにかくバラエティに富んでいた方がいいのか、特定のHomogeneousな集団がいいのか 2:Theoretical sampling strategy:目的を持って探す。量的リサーチにも似ている。 3:Logistical sampling strategy: とにかく観察できる人を観察。Opportunistic。 Focus issue:何を観察するのか?まず描写に集中して、それからよりフォーカスした観察にすることも多い。 1 Space 場所についての観察 2 Actor だれがいるのか 3 Activity 何をしているのか 4 Object もの 5 Act 人々が行うSingle event。頻度など 6 Event Actが集まってEvent  7 Time 時間 8 Goal 何を達成しようとしているのか 9 Feeling 感情 …自分のリサーチではあんま関係しないか。 Saturation:Grounded theoryでやる。 もし発言や行動のコンテキストを記載する場合、自分の解釈が入る場合はField noteではなくInterpretive noteと区別しておくこと。

質的研究(2)Observerとしての資質

Observation観察について Convergent observational Focus: 収束する観察フォーカス 非日常なことや目立つことを観察するのに集中してしまうことで、日常的なことや辺縁のものを観察するのを怠ってしまう。これは人間の正常な反応だが、質的研究者としては、同時に複数のものを観察できるスキルがあった方が良い。 観察者のタイプ(Shankさんのオリジナルらしい。ハンターハンターの念の資質のような?) The embracer:些細なことでもなんでもひろおうとする。全体を見ようとする。描写はとても豊富であり、Re-experienceさせてくれる。しかし、完全な再現などはできるはずもなく、結局は取捨選択が必要になってしまう。 The photographer:見て入る情報がメインの人。ビジュアル。始めにビジュアルの情報から入って、他の感覚も使う場合には全く問題ないが、ビジュアルだけになるのは問題。 The tape recorder:音・会話情報がメインの人。わずかなニュアンスにも敏感だが、音声情報だけだと、その時のNon verbalな部分、態度や語気などなど大事なことが抜けることに。 The categorizer:観察をどんどん分類分けする人。30分公共の場でノートを取りながら観察したところ自分はこれをメインにしていた。Grounded theoryで必要になるので有益だが、Natural CategorizerとIdeological Categorizerとは決定的に違うので注意とのこと。Ideologicalの方は、ただ単にScientificであるため、Objectiveであるための目的で分類分けしようとする人。もし言葉を何度も直したりしなくてはいけない場合、単にカテゴリーを作ることでより自由な観察から自分を遠ざけることになるのでやめた方が良い。自分は分析・分類分けするのはくせのようなものなのでIdeologicalの要素もありそうな?ただ好きでやっているから悪いことだとは思わない。 The baseliner:時間などに沿って経験や出来事を記録する人。時間に敏感。いつ起こったか、Episodicなのかなど。パターンを知るのには良くても、他の要因などを見落とさないように注意が必要。 The ab

質的研究 定義と哲学的位置づけ

今学期の質的研究のコースはかなりヘビー。自分用メモ。 出版終了したShankのQualitative Researchの本から。正直読みづらい。冗長。比喩は多いが、具体的な例は少ない。これで質的研究を勉強しようという人は少ないだろう。分かりにくい、もしくは分かっていないことを分かりやすく説明するのがプロの仕事のはず。 Qualitative scienceとQualitative inquiryの話 質的研究の3つのビジョン Mirror(Reflective・Speculative)  Window(Systematic・Objective・Bias/Error)  Lantern(Illumination・質的研究ではここ重視) アドバンススキルとして 観察、解析、など色々書いてあったが、正直覚える必要はなさそう 二つ目のテキスト MerriamのQualitative Research。これは絶賛発売中。 Basic ResearchとApplied Research Basic Researchは全く新しいことを発見すること。基礎研究ベンチリサーチが入るだろう。 Applied Researchはプラクティスを改善するために行うもの。臨床研究は概ねここに入るだろう。 Applied ResearchはEvaluation ResearchやAction ResearchそしてAppreciative Inquiryを含む。 Evaluation Researchは何かの価値を評価 Action Researchは現場の特定の問題を扱い改善する。QIと同じだが、QIという言葉は一切使用していない Appreciative Inquiryは、Action Researchの逆で、現場の良いことをStory Tellingなどで取り上げてInnovationを促す Qualitative Research vs Quantitative Research 二つのテキストでも表現の仕方は異なる。明確な定義づけは難しいようだが、質的と量的研究の違いは多くあり。割愛。 もっとも簡単な表現は、質的は言葉をデータとして扱い、量的は数字をデータとして使う。 これはあまりに広すぎる定義づけだと思いきや、質的研究

リーダーシップ。。。

お腹が空いたので休憩。 今日はリーダーシップについて考える機会があった。 フェローシップの2年間を最大限に生かすために大学院と臨床業務に加え、プロジェクトを4つほど一から始めたが、結構大変。 そんな大それた研究はしていないので、2年間で絶対に終わらせる、という目処がつくものを選んで、かつ絶対に立ち止まらないという強い意志を持って進めている。 そのため、レジデントの時に大失敗した、コラボしてくれると手をあげてくれた人を引き入れて、逆に物事が進まなくなるという事態だけは繰り返さないように、コラボ相手は慎重にかつ強めの姿勢で選んできた。 手伝うと手を上げてくる人の多くは、全然モチベーションなどなかったり、仕事が極端に遅かったり、もしくは、自分の能力を過信している場合が多い。 プロジェクトに本当に必要なリソースというのは、自然と自分からコンタクトを取るので問題ないが、具体的な役割なし段階で手伝ってくれるかどうか聞く場合は、注意するようにしていた。 大学病院なのにプロジェクトをやっている人が少ないので、ボランティア精神で手伝ってくれる人を募集したが、基本は相手に全てを委ねる方針にしていた。こちらからは求めないし、プロジェクトへの関わり方も色々都合があるだろうからお任せと。 ただ注意書きとして全く関与しなければもちろん結果を発表する際には、名前は乗りません、というスタンス。 自分にとってはボランティア精神でやっていることなので、だいぶ譲った書き方だったが、このスタンスについても「フェローごときが」とクレームを入れる人がいた。向こうは自分の立場が上だという前提で話しているわけだ。 基本プログラムディレクターにはかなり本音で話しており(それがフェローシッププログラムへのフィードバックになるだろうから)、自分のスタンスも、自分の失敗談も概ね伝えてある。 ただディレクターとしては自分に最大限の経験をしてほしいとの思いがあるようで、今後大きな研究をしたり、何かしらの役職(コースディレクターなど)をやるに当たって、やる気の程度や能力が様々な人達に何かをやってもらったりしなければいけなくなるので、今のうちに経験を積んだ方が良いと。 自分の研究は自分がリーダーなので、今のコラボ相手をメンターする必要があるし、せっかくいい機会だからやってみなよ、と

SGIM抄録レビューメモ

学会に提出された研究のアブストラクトのレビュアーをすると、新しいことを学ぶことがあるのは良い。SHMよりは良質な研究が多い。同時にしっかりしたリサーチは少ないので団子状態。。。差はちゃんと出るだろうか?以下自分用にメモ。 ACHS:Avg. chronic health score. 基礎疾患によってスコアリングするが、時間とともに患者がSICKになっていくかどうか決める指標になるらしい。外来患者のデータ解析には使えそうだが、グーグルしても全く同じ単語はヒットしない? Physician complexity score 使ったことない。 Systematic reviewで使うスコアリング MERSQI:Medical Education Research Study Quality Instrument(量的研究用)。6−18点。 COREQ:Consolidated Criteria for Reporting Qualitative Research(質的研究用)。32点。 テレメディシン、電話医療の教育 遅れてる Imposter phenomenon, imposter feeling http://www.apa.org/gradpsych/2013/11/fraud.aspx インポスターは、詐欺師とか偽物の意味だが、この用語はサイコロジー領域では、自分がFraudまがいものであるという感情を持つことらしく、成功を自分の力だと思えなくなってしまう。PhDの学生など、High Achieverに多い傾向があるらしい。 貼り付けたAmerican Psychological Associationのサイトの記事はとても初心者にわかりやすく書いてある。自分もこの感情にはよく覚えがある。医学生の多くがこの感情を持ってしまっているようだ。 Clance Imposter Phenomenon ScaleによりImposter feelingを数値化できる(0−100点) Mini-Z Survey(10項目)ストレスとバーンアウト Factor analysis Clustered randomized Trial ブロックごとにローテートするレジデントやアテンディングには使いやすいか Time moti

電カル変更2

電子カルテEPICに変更を加えるためには、提案書を病院のGovernance committeeに提出して承認されるのに2−3ヶ月かかるらしい。各部署からリクエストが来ているため非常に遅いということだ。 うまく行っても再来週末に提案書が出せればいい方だから、実際に実装されるのは4月以降ということになる。 他のFaculty Scholar Programの参加者はすでに始まっているプロジェクトをやっている場合が多いか、すぐに始められるプロジェクトを選択しているので、相当遅れをとってしまった。 というかあと3ヶ月じゃ終わらない。待つ間、しょぼい介入でも始めておくか。

QIに対する疑問

Quality Improvementについては自分もまだ勉強中の身であるし、それをメインの専門にはしようとしていないので不勉強なことも多いが、正直リサーチをやる身からすると不公平感が多い。 今日も昼のホスピタリスト科のリサーチミーティングにて、最近試験運用を始めた退院時タイムアウトというチェックリストについて、どのようなデータを取るかなど話し合ったが、これは将来的にデータを外部に発表することを前提として話し合っているので、QIを使ったアウトカムリサーチになるわけだ。 そもそも、試験運用まで始まる段階まで行っているのにもかかわらず、どのデータを集めるか決めていない。はぁ?と思いながらも、色々リサーチとして成立・成功するにはこうすべきじゃないかということは突っ込んでおいた。 しかも、「まずは仮説をどうするか」からボスが話し始めたので、唖然としたが、このプロジェクトに関わっている同僚の説明を聞く限り、、、、なんのビジョンも感じられない。 ベースラインのデータもある、としているが、あるのは2群に分けた30日以内の再入院率のデータだけ。。。まじ? せめて、タイムアウトで異常が見つかり、介入をしたかしなかったかだけは追跡出来るようにした方がいい、と声高に何度か強調したが、ボスも担当の医師も、「うーん、もっとみんなで話し合った方がいいね」と重要性を理解していなかった。 現状では異常が見つかったかどうか、看護師がそれを記録したかどうかしか記録されない。感覚的に言って、20%の人にバイタルなどの異常が発見されたとして、そのうち90%以上は、「介入の必要なし」と医師が判断して終わりになる。 異常が発見されたかどうか、報告されたかどうかの数や率を見たところで、再入院率への影響など微々たるもののはずだ。 これでもし後になって、介入があった患者群での効果を見たい(そしてそれがタイムアウトの目的じゃないのか?)、となった時には、カルテレビューしか方法がなくなってしまう。 誰もやらないだろう。 タイムアウト自体は看護師が行うので、看護師に負担を強いているわけだが、もう少し責任を持って、段取りを考えてやらんのだろうか。 データを後々公表するつもりならせめて病院のQI委員会の承認は得ないとダメだと突っ込んだら、ボス曰く、病院のQIの方からこのプロジェクト

新しい総合内科科長について調べて見た

今の大学病院と提携している退役軍人病院(VA)の内科の教授先生から、2月に自宅での宴会に誘ってくれていたので、どんな人が誘われているか調べていた。 というのも、20人ほどCCされている中で名前がわかるのが全て教授クラスか、プログラムディレクターレベルだったのに加え、それより上のランクの人の名前が入っているような気もしたためだ。 もし勘違いでなければ、調べない方が良いと判断し、その上のランクっぽい人物は調べなかった。そうだとしたら行きたくなくなる。お偉いさん達と何を話せっちゅーねん。 最近自分の大学病院の方の総合内科のトップ、Division Chiefに就任した人の名前があったので、まさか科のトップまでくる可能性があるなら知っておくべきだと思い名前をグーグルすると、やはりその人だった。 サウスカロライナ大学の内科教授でグローバルヘルスセンターのトップだったらしい。 JGIMの編集者もしていて、パナマあたりでコミュニティークリニックを援助するプロジェクトなどなど、研究も海外との繋がりもしっかりしている方のようだ。 これでは他の人たちが霞んでしまうな、と思いつつ、もし宴会に顔を出すようなら少しだけ勇気を出して話しかけてみようと思うのだった。 しかし誘われている人ほとんど面識はあっても教授、ディレクターばかり。食欲は間違いなく出ないだろうし、運転しなきゃだからお酒も飲めないだろう。 当日はもはやPTSDを覚悟で飛び込むことになりそうだ。

B2B:一年生向け身体診察ワークショップー脳神経編

今日の振り返り。ベンチトゥベッドサイドという一連のコースの一セッションを担当。 前までは2年生向けB2Bだったので、1年生向けは今回が初めてだった。 今回は脳神経のV,VIIーXIIを45分間で2セットの内容。 このコースは200人以上の学生を20数グループに分けるため、相当な数の教員が必要になる。 教員によって差が出ないように、分刻みでスケジュールが決められている。スライドも用意してあり、学ぶ内容にも差は出にくい。学生はあらかじめ指定された教材やらポドキャストやらを勉強してから参加し、クラス中はスキル習得や疑問解消に集中する。フリップド・クラスルームというやつだ。 4−5人のグループだと聞いていたが、2グループとも8人いた。何か手違いがあったのだろうか。思った以上に観察する人数が多かったので、全員に目を配るのが相当困難だった。 一つ目のセッションは、このコースの責任者である教授に見てもらった。初めてやるときはまぁいつもできないが、今回は特に分刻みの内容が頭に入っていなかったのもあって、結構苦しい展開だった。 2つ目のセッションは、流れは頭に入って時間的には十分な余裕を持って終われたが、誰も観察してないし、教授の印象はさぞ悪かっただろう。 あと、米国に来てから本当に神経診察や急性期脳卒中を見る機会が減ったので、マジで病態生理の知識が怪しい。こういう初見なら病変はどこでしょう?的な問題出して自分で間違えるという失態をする日がくるとは。渡米前は神経診察して病変特定するのが好きだっただけにショックは大きい。 ういういしく身体診察を練習する一年生を見ているとなぜかそれだけで嬉しくなった。教員としてはイマイチだっただろうけれど。

久しぶりにQI。より良い医療のため、EPICをいじる

医療の質を改善するQuality Improvement(QI)を学ぶこともフェローシップ中の目標であり、現在自分のボスが毎年開催している半年間のFaculty Scholar Program in Patient Safety AND Quality Improvementコースにも参加させてもらっている。 このコースの唯一気に入らないところは、(またも、、、)事務方のサポートの薄さである。 月一なので、誰かが受講者の進み具合やこれからの日程などを定期的にチェックしないと学習効果が減ってしまうと実感を持って感じるのだが、そこのサポートはない。 ボス自身は忙殺されているのを知っているので、せめてボスの秘書が1週間なり2週間くらい前になってきたら、次の回の予告・リマインダーメールを送ってくれればそれだけで大分助かるのだが これまでは、日程が決まった段階でメールがきて、あとは3日前とか前日とかの直前にメールが来たり来なかったり。 しかも、通常事務方はミーティングなどの予定は必ず「招待」メールとして各自にメールすべきなのに、なぜかこのコースだけは一度もやってくれない。 招待メールとしてメールを送ると、招待を却下しない限り受取人たちのスケジュールに自動的に組み込まれ、間違ってダブルブッキングすることがなくなるのだ 自分にもフェローシップコーディネーターがいて(フェロー一人しかいないけれど掛け持ちでやってくれてる)、その人が勝手にティーチングやらミーティングをぶっこんでくるので、招待メールで予定を送って来ないことは結構気になる。 おかげで、10月の1回目の回をすっぽかしたのは記憶に新しい。 コースでは自分でQIプロジェクトを立ち上げ進めなければいけないのだが、すっぽかしたおかげで丸1ヶ月棒に振ることになった。 そして11月末にようやく初めての出席。 12月末はクリスマスのため、各自メンターとあって自分のプロジェクトについて議論するのと、いつもどおり大量の宿題があっただけだった。 この12月のメンターとのミーティングや、1月分のアナウンスなど、一切フォローされていないので、自分自身、このQIプロジェクトは優先順位が常に後になりがちであった。 しかし、そんな中でも少しずつメール

マスター春学期開始。

大学院の春学期が始まってしまった。 体調はまだ完全には戻らず。今日も一つミーティングをこなし、明日もミーティング、明後日は午後ずっと医学生向けティーチング。その翌日もミーティング。昨日総合内科学会から学会に提出された抄録の審査解禁のお知らせ。今回は24個。 ミーティングというときは大体リサーチ関係のミーティングなので、自分がプレゼンターでそれなりの準備をしなくてはいけない。 ここに大学院の大量のリーディングと宿題が入ってくるとなるとやはり焦る。 それにしても今回は読む量が多い。基本Learning by doingの方針なので、これに加えてプロジェクトを見つけて進めなければならない。 覚悟はしていたが、秋学期より忙しくなりそうである。

2017年開始早々ピンチ

年末から体調が優れなかったが、何とか最低限の仕事もこなせる程度だった。 年が明けてからは悪くなる一方で昨日はとうとうベッドからでれずに一日中休んでいた。 12月にやろうとしていたことは8割はできた感じだが、それでも残りの2割も相当時間のかかることなので相当にやばい。 来週からは大学院の春学期も始まるが、一つのコースは1週目の読書量が半端ではないから、今週から教科書を読んどいた方がいいと書いてあった。 これはしんどくなりそうな予感しかしない。今日もだいぶ調子悪いが、優先度の高いものからやっていく方式。今までなら、やり終えるまで寝ない!とかやって来たけどさすがに今は無理だ。 体調悪くて精神的にも相当弱っているが、朝からユーチューブでMIT卒業式スピーチの動画を見て少しだけやる気をもらった。 名前も知らないけど、DropBoxを創業した人なのかな?卒後、失敗(Failure)ばかりして来た彼曰く、Failureであることは問題ではなく、人生で一度だけ正しければいいらしい。今の会社で成功したけれど、その過程でも散々恥をかきまくったらしい。それでも自分がのめり込めることを見つけたから続けていけるのだそうだ(テニスボールを見て興奮して夢中になって追いかけ回す犬を例にしていた)。 自分も今やっている数多の失敗や恥は、何かしら将来に繋がるものなのだろうと思った。その人が言っていた、「自分の周りにどんな人がいるかがとても大事」、は自分がこれまで敢えて避け続けて来たことで、いい加減、将来有望な人や権威ある人との交流を求めるべきなのだろうな。 とこの動画を見るたびに思い出すけれど全く進歩していないな

新年早々返事スローダウンしようと思った話

年末年始は家族も自分も鼻風邪をひいて散々だった。 年末には3年生向けの講義の評価の総評も送られてきて、いくつかは全体の指導医の平均より少し上、いくつかは少し下のものがあって、一番多くやった3年生向け講義がその程度なので、まだまだ改善の余地がありそうだ。 年末年始に終わらせようと必死に取り組んでいた論文も風邪で5日間近く何も進まず、結局ほとんどのものを次の学期に持ち越すことになった。 さらにディレクターとのミーティングでは、ネガティブなフィードバックも2つ頂戴した。多くのことは急ぎすぎたあまりに人を不快にさせたことで起こったことなので、こればかりは反省せざるを得ない。 去年の前半は、出来るだけ周囲にいい顔をして、輪を大切に物事を進めてきたが、全てのことが進むのが遅すぎて困り果てていた。 後半に入り大学院が始まってからというもの、自分も相当なスピードで物事をこなす必要が出てきて、「今のままでは何も終わらない」と痛感し、周囲に「やることはやってくれ」とはっきりいうようになった。 アプローチを意識的に、意図的に変えた。今まで2−4週間くらいはリマインダーのメールを送らなかったのを、1−2週間に変えた。 論文に関してごにゃごにゃ言って先に進まないものは、さっさと提出するなり、期限を設けて先に進むように仕向けた。 最後の2ヶ月はこれを今の職場でもやり始めた。これは完全な失敗だった。周りを急がせたりプレッシャーをかける言葉は、何も状況を変えることはなく、ネガティブなフィードバックとして返ってきただけだった。 とはいえ、自分はフェローシップの2年間という限られた時間制限があるので、急がざるを得ない部分もあり、ディレクターともどうすべきなのかを話し合った。 以前のように、皆にいい顔をしていては、結局何も終わらない。 今後は、自分は今までのペースで必死に足掻いてみるのは変わらず、プロジェクト協力者へのアプローチだけ返ることにした。 手はあげるけれども、返事がこない、何もやらない人はプロジェクトの輪からそっと外す。色々な事情があって優先順位の上に来ないのだから、そこを今までのように「出来るだけすぐやってくれ」とか「貢献なくして論文著者は勘弁してくれ」とか言わない。 著者の資格のガイドラインは出ているので、よほどの事情がなければ、ガイドラ