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妻が出産で入院中、米国医療の闇を見た 其の二

さて、前回の続きも一応記録しておこう(え、続きがあるの?)

日曜に陣痛が始まって、5分間隔になった時点で、クリニックに電話

「5分間隔になって1時間以上立ってるなら、分娩室に連絡いれときますので、来てください」

と言われ、「じゃぁ行こうか」とした時から

陣痛遠のき始める😱


月曜になると、また誘発だの煩わしい電話が来てしまうので、何としても当日産んで欲しい状況で

まさか妻がプレッシャーに屈したのか?と焦ったが

とりあえず準備して病院に行く間に5分間隔に戻るでしょう、ということでゆっーーーくり準備して病院へ

看護師の最初の診察の時点で、分娩はしっかり進んでいたので、ちょうど良かった

と胸をなでおろしたのが、大きな過ち。悲劇の序章に過ぎなかったのだ

普段血管の出ない妻が、珍しく、はたから見ててもいい血管が出てるなーと思っていたら

担当看護師が、ことごとく、それらのいい血管を外して穴だらけにしていく(一度刺したところよりも末梢からはアプローチできない)。ようやく他の看護師にスイッチしたと思ったら、その人たちもことごとく外していく。

正中で血管がしっかり触れているのに、20ゲージで外しまくる!

両腕合わせて8回は刺された挙句、超音波ガイド下でようやっと入れてくれた。

最初の内診から、実に90分が経過していた🙈

そこで、担当看護師(明らかに慣れてない)が、フォローアップの内診はせず、点滴開始し、1L落とし終わるまで硬膜外入れ慣れないので待ちましょう と。

終わった後に、麻酔科を呼んだから、体制を整えましょう、と妻をベッド脇に座らせる。

麻酔科医が部屋に入って硬膜外を入れて部屋を出ていくまで5分もかからなかった(でも看護師が同意書とったよ😱😱😱訴えたら負けるよ?)

そして、また仰向けに寝っ転がった瞬間に破水

担当看護師、慌てる

産科医はこれまで一切登場しておらず、慌てて連絡しに行き

なんか、内診しながら、手を必死に動かしてたけど(まじやめろや😠)

妻、なんか気持ち良さそうにぼーっとし始める

声をかけて起こすと返事はあるが、「目の前が白くなってる〜」とか言っている

同じタイミングで違う看護師も入って来ており、黙って何かを静注しようとしている

「それ何ですか?」

医者が一切関わっていない雰囲気がもろだったので(癖で)咄嗟に確認したところ

「血圧が低いから血圧を上げる薬です」

あちゃー、これ誰からの指示やろー(多分麻酔科医のオーダーセットだ)

*あとで本人に聞いたところ、本当に気持ちよく気を失いかけてたそうで、死にかけたと言っていた

ようやく知らない先生が入って来るなり

それ何やってるの?今すぐやめてください
尿カテ何で入ってるの?分娩時は必ず抜いとかないと、尿道裂傷するわよ?今すぐ抜いて。
今やるべきことは赤ちゃんを取り上げることよ

と、ささっと赤ちゃんを取り上げて、尿道の方に伸びる裂傷を縫って去っていった。

さて、本来の担当産科医(おばちゃん先生を夜間オンコールでカバーしてた人)はというと

全てが終わった後に、連絡を返して来て、一度も僕らの前にはあわられませんでしたとさ

出産後の夜、お祝い膳が夫婦共に出されて、びっくりするくらい美味しいステーキが振舞われたが、それを食べて妻が放った一言

「ステーキの質を上げるまえに、やるべきことがあるだろう💢」


今回よくわかった、アメリカの市中病院、まじやばい (つ・づ・く)

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